2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592584
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊入 崇 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (10322819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30230816)
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Keywords | 乳歯歯髄由来幹細胞 / 歯根膜由来幹細胞 / Wntシグナル / 未分化維持 |
Research Abstract |
乳歯歯髄由来幹細胞(SEHD)および歯根膜由来幹細胞(PDLSCs)は、抜去歯より採取することが可能な間葉系幹細胞であり、骨細胞などへの高い分化能を有していることが知られ、硬組織再生などの応用が可能な幹細胞である。しかし、SHEDおよびPDLSCsを用いて広範囲の硬組織を再生する場合、大量の幹細胞が必要となる。一般に生体内の幹細胞数はごく少量であり、生体内から十分量の幹細胞を得ることは極めて困難なため、SHEDおよびPDLSCsを用いた再生医療実現には、限られた資源から幹細胞を同定し、生体外で効率よく細胞数を増やすことが必要である。つまり、幹細胞を未分化状態で維持し培養することが必要となる。そこで、本研究では、SHEDおよびPSDSCsにおける未分化維持因子についてWntシグナルに焦点を絞り、培養条件下における未分化維持効果について解析を行った。抜去歯の歯髄および歯根膜より酵素処理によってSHEDおよびPDLSCsの初代幹細胞の単離を行った。単離した初代細胞を用いて、Wnt-3a無添加群およびWnt-3a添加群それぞれに対し継代培養を行い、長期継代培養後のSHEDおよびPDLSCsの未分化状態を、BrdU assay、細胞増殖assay、FACSおよび免疫染色における幹細胞マーカーの解析、in vivoおよびin vitro骨誘導assay等の実験によって評価を行った。SHEDおよびPDLSCsの両方の細胞において、Wnt-3a添加群では非添加群と比較し、BrdU assay、細胞増殖assay、FACSおよび免疫染色における幹細胞マーカーの解析、in vivoおよびin vitro骨誘導assay等の全ての実験において優位に未分化状態が維持されていた。
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