2009 Fiscal Year Annual Research Report
エナメルタンパクの骨代謝コントロールメカニズムの解明-エストロゲン関与の可能性-
Project/Area Number |
21592588
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 薫 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授 (70202851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春山 直人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, GCOE拠点形成特任教員 (70359529)
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Keywords | アメロジェニン / エナメルタンパク / 骨代謝 / エストロゲン |
Research Abstract |
歯周組織再生を期待して広く用いられているエムドゲイン(EMD)はその効果が認められているものの、作用機序が依然として不明である。我々はエムドゲインの主成分であるエナメルタンパクのアメロジェニンが、卵巣摘出マウスの骨代謝に影響を与えることを発見した。卵巣摘出時などのエストロゲン量の変化はIL-6の産生を増加し結果的にRANKLの発現を増加すること、骨芽細胞の一酸化窒素(NO)の産生量を変化させ骨量に影響を与えることが判っており、アメロジェニンはこれらのシグナル経路を変化させている可能性がある。そこで本研究では、「アメロジェニンは、エストロゲン低下時にみられるIL-6、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)、プロスタグランジンE2(PGE2)の産生上昇を抑制し、結果的にRANKLの発現上昇を抑制することで、破骨細胞の形成を抑制する。」「アメロジェニンはNOの発現を上昇させることで、エストロゲン低下時のNO産性低下を補い、骨密度低下を防止する。」という仮説を、アメロジェニンTGマウスや骨系細胞の培養を通じて検証する。今年度は8週齢の、全長アメロジェニンをI型プロモーター下で骨に特異的に発現するトランスジェニックマウス(以下TGマウス)と野生型マウスに卵巣摘出術を施し、8週後に長管骨より骨髄間葉系細胞を採取しLPS存在下または非存在下で培養を行った。その後RNAを抽出しリアルタイムPCR法にて、IL-6、COX-2、RANKLなど骨代謝関連の遺伝子発現を比較したところ、アメロジェニントランスジーンの有無によってこれらの遺伝子発現に差が生じることが示唆された。今後は、卵巣摘出トフンスジェニックマウスの表現型をNOとの関連から探索し、in vitroの結果と合わせて評価を継続して行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)