2011 Fiscal Year Annual Research Report
人為制御された骨細胞ネットワークの機械的刺激応答能について
Project/Area Number |
21592594
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上岡 寛 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 康代 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70379775)
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Keywords | 骨細胞 / ナノパターニング / メカニカルストレス / 細胞間コミュニケーション |
Research Abstract |
矯正治療における歯の移動において重要なメカノセンサーとして考えられている骨細胞が形成する細胞性ネットワークの役割はいまだ解明されていない。そこで、我々はナノパターニング法を用いて、骨細胞ネットワークの形成を人為的に制御し、機械的刺激を受けた骨細胞の感受性の変化を検討することを目的に本研究を行った。本年度は、パターニングを行うための、装置の開発ならびにその装置により実際に細胞が配列し、長期の培養が可能かどうかを検討した。まず、パターニングの鋳型から光重合樹脂を使用したフォトリソグラフィを用いて作成し、PDMSを流し込み、パターニングのためのスタンプを作成した。作成したスタンプには細胞接着基質であるフィブロネクチンを付着させ、細胞培養をおこなうガラスに印記した。まず、パイロットスタディとして、骨芽細胞株MC3T3-E1を用いて、付着の検討を行った。そして、骨細胞は従来の我々の方法に従ってニワトリ胚頭蓋骨より単離した。培養開始30分で骨が細胞ならびに骨細胞の付着を確認し、フィブロネクチンコーティングしていない領域の細胞は、洗い流した。そうすることによって、骨芽細胞ならびに骨細胞のパターニングが確認でした。細胞のネットワークを35マイクロメートル四方から、10マイクロメートル四方までのものを規則正しく整列させたることができた。本年度は、より安定して、細胞に流体剪断応力を負荷するためにパターニングに用いたPDMSを用いて、マイクロ流路を作製し、作製された骨細胞ネットワークに流体剪断応力をかけるための装置を新たに開発した。この装置により、細胞に0.8から3.0パスカルの流体剪断応力を負荷することができ、同時に長期に細胞を培養することができた。長期に培養された骨芽細胞は培養10日目で石灰化がみられるほど分化が進んだ。
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