2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592604
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佛坂 斉祉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90199513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 基大 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90420629)
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Keywords | 歯根吸収 / ラット / 歯の移動 / コイルスプリング / アポトーシス |
Research Abstract |
「研究の目的」矯正治療時の歯根吸収には、いまだ予防法がない。本研究は、アポトーシス抑制剤が歯根吸収抑制に効果があるかどうかを検討する事を目的とした。 平成21年度はアポトーシス阻害剤を矯正力を与えた歯根吸収モデルラットに投与し、その抑制効果を調べて、効果のある(歯根吸収を抑制し、歯の移動を抑制しない)阻害剤を見つけることを目標とした。 「方法」ウィスター系オス10週齢ラットの上顎前歯-第1臼歯間に25gクローズド・コイルスプリングを装着した。25gはヒト第1大臼歯で1kgに相当するが、14日間、ラット第1臼歯に作用させることによって重度で且つ再現性の良い歯根吸収を引き起こした。アポトーシス阻害剤である塩化リチチウム、塩酸セレギンおよびGenisteinを飲み水に入れて経口投与した。14日後、正確な歯の移動量測定と歯の移動動態の計測のためにマイクロCTを撮影した。その後、第1臼歯を取り出し、軟組織を次亜塩素酸ナトリウムで除去後、走査型レーザー顕微鏡で歯根吸収の面積、深さ及び容積を測定した。 「結果」陰性コントロール(0g矯正力)では歯根吸収は全く認められなかったが、陽性コントロールでは遠心根(頬側根と口蓋根)において歯根吸収を認めた。力の大きさは10g、25g、50gで評価した。10gで軽度の25gと50gでは重度の歯根吸収を起こした。症状の重傷度により、薬効の違いが生じる可能性が高いと考えたのである。この実験系において、上記の各種アポトーシス阻害剤を投与してみた。しかしながら、歯根吸収の広さ、深さおよび体積を評価したところ、コントロールの歯根吸収に比較して、違いがあるとはいえなかった。
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