2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌由来FDFの細胞への影響及び歯周炎病態への関与の解析
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21592620
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒川 真一 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (20302888)
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Keywords | FDF / 歯周病 / 抗FDF抗体 / 歯周病原細菌 / Tannerella forsythia |
Research Abstract |
当初の研究計画: 1.Tannerella forsythia由来FDFの細胞内での標的器官を解析するために、共焦点レーザー顕微鏡、作用細胞の分画物を用いて解析する。2.歯周炎(慢性・侵襲性)患者・健常者の唾液、歯肉溝滲出液、末梢血中に含まれる坑FDF坑体価を、FDFリコンビントタンパク質を精製した標品を抗原として用いたELISA法により測定し、病型・臨床症状・治療経過との関連を考察する。 研究経過及び研究成果: 1.基礎的研究においては、FDF細胞に作用させた結果、細胞内に取り込まれ(侵入し)、ミトコンドリアに到達後、酸化膜電位を上昇させ、最終的にIL-8の産生を亢進することが明らかになった。この事実は、FDFが歯周病の発症・進行に関与するメカニズムを明らかにした点で画期的な知見である。2.臨床的研究においては、歯周炎患者・健常者(各21名)から歯肉溝滲出液、歯肉縁下プラークを採取し、それぞれの抗FDF抗体価を検討した。その結果、抗体価は健常者群と比較して歯周炎患者群で有意に高い値を示した。さらに、ポケット深さ・Clinical Attachment Level(CAL),Bleeding on probingの割合の3種の臨床パラメータと坑FDF坑体価との間には有意な正の相関関係が認められた。上記のように、病態と抗FDF抗体価との関連性が認められたため、歯周病の診断・予後判定のための新規の簡易な検査法として確立していく予定である。具体的には、プラズモン共鳴センサーを用いた迅速検査法への当該抗体の応用を目指している。
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