2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤性歯肉線維化局所におけるコラゲナーゼインヒビターの役割
Project/Area Number |
21592622
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
久保田 健彦 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (50303136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中曽根 直弘 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20447634)
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Keywords | 医療・福祉 / 歯学 / 酵素 / 免疫学 / 病理学 |
Research Abstract |
「研究の目的」:カルシウム拮抗薬による重度薬剤性歯肉増殖症線維化組織中において、Collagen代謝に重要な遺伝子発現およびタンパク質局在を調査することにより、歯肉線維化病変部における強調された肉芽組織反応の分子機構を解明する。具体的には、1) ヒト歯肉増殖症歯肉と健常者歯肉でのMMP-1,MMP-3およびTIMP-1,-2,-3,-4の遺伝子発現を定量RT-PCR法にて解析し、発現量を比較検討すると共に、2)ヒト歯肉増殖症歯肉と健常者歯肉でのMMP-1,MMP-3およびTIMP-1,-2,-3,-4のタンパク質発現を免疫組織学的手法を用いて解析し、発現組織・発現細胞を同定、健常者と比較することにより、特に歯肉増殖症でTIMP-3タンパク質を発現する細胞に着目する。 「研究実施計画」H21-22年度に基づく「研究成果」:本研究は、新潟大学歯学部倫理委員会において承認された計画である。新潟大学医歯学総合病院歯周病診療室を受診し、重度カルシウム拮抗薬剤性歯肉増殖症と診断され、インフォームドコンセントの得られた患者10人とコントロールとして歯周炎患者10名の歯肉を採取、RNA安定化溶液(RNA later^[〇!R],QUIAGEN)に24時間浸漬後Deepfreezer(-80℃)にて保存した。組織が十分大きな場合のみ、組織解析用試料を採取し4%PFAに24時間浸漬固定後PBSに保存した。現在までに5例サンプリングを行った。歯肉検体はRNeasy Mini kit^[○!R](QUIAGEN)を用いて全RNAを抽出し、逆転写酵素反応によりcDNAを合成した。cDNAをテンプレートに定量RT-PCRを行いTIMP-3および各MMPs,TIMPs遺伝子の発現量をCt法により定量した。MMPsおよびTIMPsの組織学的、免疫組織学的解析:パラフィン切片にてヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色およびTIMP-3,TIMP-4について免疫染色を行い、同産生細胞を同定した。研究の経過を、国内外の学会で報告すると共に、結果の一部を「TIMP-3,TIMP-4の歯肉増殖症、歯周炎罹患歯肉組織中における遺伝子発現レベルおよび免疫組織化学的局在」と題して、第1報として歯科基礎分野の国際誌であるArchs Oral Biology (2009)に報告した。更に、本研究を含む一連の研究成果について2009年度日本歯科保存学会学会学術賞を授与された。成果はミニレビュー(依頼論文)として本学会雑誌に2010年1号として掲載された。現在、その他のMMPs,TIMPs遺伝子についても継続して研究を進めており、第1報から得られた結果から「真に薬剤性歯肉増殖症に特異的な遺伝子発現」を突き止めるべく、継続・発展させた遺伝子発現解析を行っている。また、臨床検体についても更にn数を増やすためにサンプリングを継続し、さらなる成果を目指している。
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Research Products
(4 results)