2009 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌シャペロニン分子の交差反応性と歯周病ならびに自己免疫疾患への関与
Project/Area Number |
21592624
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 博史 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00274001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10144776)
谷本 一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00280686)
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Keywords | 古細菌 / Methanobrevibacter oralis / シャペロニン / 交差反応 / 歯周病 / 自己免疫応答 |
Research Abstract |
古細菌シャペロニン(Cpn)分子とヒトCCTの交差反応性から、古細菌感染と歯周病さらに自己免療疾患との関連性を解析することを目的とし、以下の研究を遂行した。 1. 古細菌Metgabibrevubacter oralisの保有するグループllCpn遺伝子のクローニング PCR法ならびにゲノムウォーカー法によってM.oralisのCpn遺伝子をクローニングした。M. oralisには2つのCpnサブユニットが存在し、それぞれの遺伝子塩基配列から推測されるアミノ酸配列は、ヒトCCTサブユニットと28.8-40.0の相同性を示した。本結果から、両分子に交差反応エピトープの存在する可能性の高い事が示唆された。 2. M.oralis組み換えCpnタンパク質の構築と精製 His-tag tecchnologyを応用した発現プラスミドベクターを使用して、M. oralisの保有するCpn分子の組み換えタンペク質を構築し、精製した。精製した組み換えタンパク質は、今後の研究遂行のための重要なサンプルとなる。 3. 組み換えタンパク質と歯周病患者血清の反応性の解析 歯周病患者血清とM. oralisみ換えCpnタンtパク質の反応性を解析した。その結果、重度の歯周病患者の多くがM. oralisのCpn分子に対する体液性免疫応答を惹起していることが明かとなった。 4. 抗ヒトCCT抗体を使用した交差反応性の解析 抗ヒトCCT抗体とM. oralisの組み換えCpnタンパク質との反応性をWestern blot法で解析した。その結果、抗ヒトCCT3、CCT8抗体が組み換えタンパク質に反応性を示した。この結果はM. oralisのCpnがヒトCCTの交差反応抗原であることを、強く示唆するものであり、上記3の研究結果とあわせ、古細菌感染をトリガーとしたヒトCCTに対する、自己免疫応答発症機序の仮説を示唆するものである。
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