2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデバイスを用いたカルプロテクチン測定による歯周病診断法の開発
Project/Area Number |
21592625
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10195315)
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Keywords | マイクロデバイス / カルプロテクチン / 歯肉溝滲出液 / 歯周病診断 |
Research Abstract |
本研究は,申請者が歯周炎との関連を報告したカルプロテクチンについて,歯肉溝滲出液中の微量なカルプロテクチンを測定するマイクロデバイスシステムを構築し,歯周病の診断に応用することを目指すものである。これまでに,住友ベークライト社製のマイクロチップ(BS-X2320)を用いて,この流路上での抗原抗体反応(サンドイッチELISA法)の至適条件を検討し,市販のカルブロテクチンELISAキットとほぼ同等のカルプロテクチン標準蛋白の測定が可能となった。しかしながら,現在までの測定条件では,測定時の各反応時間が長いこと(約2時間),マイクロチップの流路間およびチップ間の測定誤差がやや大きい等の問題がある。そこで,本年度は,オープンタイプのマイクロチップ(BS-X2321)を用いチップ流路上に微量の1次抗体をインクジェット法で固相化し,抗原抗体生成物の発光剤を高発光試薬(Super Signal West Femto)に変更し,さらに化学発光測定器も高感度器に変更した。その結果,測定反応時間を約45分間に短縮し,チップ間の測定誤差も6%以内に抑えることが可能となった。この測定条件の改良により,5-100ng/mlカルプロテクチン標準蛋白について市販のELISAキットと同等の検量線が得られ,さらに健常部位および歯周炎部位から採取したGCF中のカルプロテクチンについても殆どのサンプルで測定が可能となった。今後,さらに測定時間の短縮化とより低濃度のカルプロテクチンの測定条件の検討を行う予定である。このようなマイクロデバイスを用いた生体サンプルの測定法の開発は,高精度で客観的な歯周病の診断に貢献するばかりでなく,微量な歯肉溝滲出液中の疾患マーカーの測定による様々な疾患診断に役立つ可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)