2011 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織誘導複合体と骨髄間葉系幹細胞三次元培養による再生治療法の開発
Project/Area Number |
21592630
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
藤井 健男 松本歯科大学, 歯学部附属病院, 臨床教授 (30173389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
齊藤 正人 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50337036)
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Keywords | 三次元培養系 / 歯髄間葉系幹細胞 / ホスホホリン / FGF / 再生医療 / 歯周組織再生 |
Research Abstract |
重度歯周炎によって垂直的・水平的骨欠損を伴う、破壊された歯周組織の広範囲な再生を目標とする、新しい歯周組織再生治療法を確立するために、骨髄間葉系幹細胞培養系を応用する新規石灰化誘導性複合体型生体素材の開発研究を行った。 コラーゲン3次元ゲル培養後の骨髄間葉系幹細胞のALP活性(/DNA)は、ホスホホリン添加群(10μg)、非添加群ともに14日をピークに28日まで漸減した。また培養28日の時点では、ホスホホリン添加群においてDNA量当りのCa濃度は有意に低い値を示した。また、FGF(1μg)添加群は培養期間中、DNA合成が増加する傾向を示し、FGF添加コラーゲン3次元ゲル細胞培養系は、骨髄間葉系幹細胞の十分な増殖を与える、組織再生量を制御する優秀なscaffoldの構築が可能であると考えられた。 生体親和性に優れた硬組織誘導型複合体の応用により、細胞の分化・増殖が有利に作動し、短期間で歯周硬組織の形成が期待される本法は、従来、重度歯周病に罹患したため組織再生が困難とされる水平性骨欠損への適応拡大が予想される。さらに高品質のscaffoldの開発によって、種々のサイトカイン応用による再生治療や顎口腔外科、形成外科、整形外科領域など他分野への臨床応用の可能性も広がり、学際的研究への発展が期待される。 安全かつ機能的な再生医療が待望されている現在、生体親和性に優れた硬組織誘導型scaffoldの確立は、予知性の高い新しい再生医療分野における組織再生治療法の開発に直結し、高齢化社会の中で様々な生体組織の喪失から招来されるQOL減退の予防と病勢抑制に繋がる、社会的貢献度の高い成果を得る研究と考えられる。
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