2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎分子標的治療薬のスクリーニングに有効な三次元培養モデルの作成
Project/Area Number |
21592637
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
大島 光宏 奥羽大学, 薬学部, 教授 (30194145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 洋子 日本大学, 歯学部, 助手 (00239922)
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Keywords | 生体外歯周炎モデル / 三次元培養 / コラーゲン分解阻害剤 / 歯周炎原因遺伝子 / 分子標的治療薬 |
Research Abstract |
適切な動物モデルが作れない歯周炎において、生体外(in vitro)モデルを作製することは、歯周炎原因究明のために重要な意味を持つ。申請者らは、歯周組織の破壊をin vitroでシミュレートするために,三次元培養法を用いて上皮と間葉との相互作用を調べる歯周炎の病態形成モデルの作製を試みた。その結果、歯周炎罹患部位からの歯肉線維芽細胞には、コラーゲンゲルの分解を極度に促進する“悪玉”線維芽細胞が含まれていることがわかり、この細胞を用いることで、生体外歯周炎モデルの作成が可能となった。さらに、歯周炎分子標的治療薬のスクリーニングのために延べ60種類の生薬を用いてコラーゲンゲル分解に及ぼす影響を調べた結果、オウゴン、ケイヒ、ブクリョウを始めとする20種類の生薬によりコラーゲンゲルの分解が顕著に抑制されることが判明した(「コラーゲン分解阻害剤」として特許出願済)。また、3ペアのゲルからRNAを抽出しGene Chip解析を行ったところ、38,500遺伝子の中から歯周炎原因遺伝子の候補として45種類の遺伝子がリストアップできた。さらに“善玉”と“悪玉”両線維芽細胞のクローニングを行って生体外歯周炎モデルに適用し、同様にGeneChipで解析したところ、原因候補遺伝子を22種類まで絞り込むことができた。現在これらの遺伝子のValidationを行っており、現時点では2種類の原因候補遺伝子が浮上してきた。この遺伝子産物の阻害剤が、真の歯周炎分子標的治療薬の候補になると考えている。さらに、侵襲性歯周炎罹患歯肉からも、必ず“悪玉”線維芽細胞が得られることがわかり、歯周炎の「線維芽細胞原因説」が信愚性を増してきた。現在、成人性歯周炎と同様の解析を行っている。
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Research Products
(7 results)