2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592642
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
豊福 明 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (10258551)
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Keywords | 歯科心身症 / 歯科心身医学 / 舌痛症 / SNRI / SSRI / 咬合異常感 |
Research Abstract |
1.歯科心身症診断基準の検討 我々は、第23回日本歯科心身医学会総会・学術大会ワークショップにおいて「歯科心身症の診断ガイドライン案」を報告した。それをもとに現在までに当科に蓄積された歯科心身症患者について、診療録などの臨床データをもとに「歯科心身症」の診断基準の妥当性を検討し、さらに精神科診断名との整合性を含めて検討を重ね、その結果を第63回日本口腔科学会総会やThe ICPM 20th World Congressなどにて発表した。 2.臨床統計的調査と試案の修正 平成20年度の当科新患の臨床統計的検討を行い、第54回日本口腔外科学会総会にて発表し、上記の診断基準の修正を重ねて行った。抽出された例外的な症例のうち、薬物(MDMA)乱用など価値ある症例の報告を日歯心身誌に投稿し受理された。これらの知見の集積によって歯科で担当すべき患者群と精神科と連携すべき患者群がより明確化されることが期待される。 3.治療アルゴリズム構築の試み 以上、作成された診断基準や分類に従って規定された歯科心身症の各疾患について、歯科医師が行う心理療法、薬物療法など心身医学的治療のアルゴリズムの構築を試みた。薬物療法では、これまで疾患概念や診断基準が曖昧であったがゆえに困難であった治療反応性の検討を積極的に行った。特に舌痛症に対するSNRIの用量依存性の検討を行い、The ICPM 20th World Congressにて発表し、投稿準備中である。さらにSSRIである塩酸パロキセチンの有性についての再検討を行い、日歯心身誌に投稿し受理された。他の薬剤についても診療録などの臨床データをもとに長期的予後も含めretrospectiveに検討している。次年度に向けて投与薬剤の初期用量、最大投与量、維持量、処方継続期間、さらに再発再燃の有無、再発時の対応などについても調査を進めている。
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Research Products
(22 results)