2010 Fiscal Year Annual Research Report
障害者の生涯にわたる口腔のQOL向上を目的とした地域連携クリティカル・パス開発
Project/Area Number |
21592648
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江草 正彦 岡山大学, 病院, 准教授 (90243485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
森 貴幸 岡山大学, 病院, 助教 (90274000)
小笠原 正 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (10167314)
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Keywords | 地域連携クリニカルパス / 障害者 / 自閉症 / 発達年齢 / 歯科疾患実態調査 / 現在歯数 / 視覚支援 / 歯磨き指導 |
Research Abstract |
・地域連携クリニカルパス作成のための実態調査をおこなった。 1.「匿名アンケートを用いた岡山県内の障害者における歯科受診行動と歯科医療体制への希望に関する意識調査」を行った。歯科治療に適応することが困難な障害者に対応する歯科医療機関は限定されているのが現状である。そのため障害者科における一次・二次・三次医療機関がそれぞれの役割を分担し、効率的な医療を行うためにネットワーク構築が望まれる。そのため歯科医療体制へのニーズを詳細に調査した。理想の受診先は二次歯科医療機関の割合が高かった。歯科医療への要望は「障害についてよく理解してほしい」とした者が最も多かった。また治療が困難な者に対する行動調整としては「時間がかかってもトレーニングを行ってほしい」とした者が最も多かった。 ・歯科治療の対象として最も対応困難な自閉症者についての研究をおこなった。 1.「発達年齢の高い自閉症児者の不適応要因」 発達年齢3歳10ヶ月以上の自閉症児者の日常生活で奇声を発する者は、歯科治療への適応性が低いと考えられた。このような自閉症児者に歯科治療を行う際は、特殊な行動調整が行える高次医療機関との連携が必要と考えられた。 2.「高機能自閉症児に対する文字情報を用いた視覚支援による歯磨き指導の経験」 高機能自閉症児に対して、文字情報による視覚支援を用いることで歯磨き指導の内容が十分に伝わり、歯磨き指導に有効であった。 ・地域の知的障害者を対象とした現在歯数に関する実態調査をおこなった。 対象者の現在歯数は、各年齢層において、厚労省調査よりも少ない方に多く分布していた。35歳以上ではほとんどの歯の保持割合が有意に低かった。 以上の調査・研究よりクリニカルパスの作成をおこなった。
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