2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592651
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉岡 昌美 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
横山 正明 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10314882)
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Keywords | 口腔保健 / 嚥下食 / 口腔衛生状態 / 唾液の性状 / 口腔乾燥 |
Research Abstract |
本研究では、「口腔保健に配慮した機能的な嚥下補助食品・流動食や経腸栄養剤の開発」を最終目的とし、初年度は嚥下食を経口摂取している入院患者の方を対象に口腔内診査と口腔衛生状態のアセスメント調査を開始した。まず、栄養管理室の協力を得て徳島大学病院内である一定期間に、嚥下食を摂取されている患者さんを抽出したところ、食道乳腺甲状腺外科、消化器外科、耳鼻咽喉科、神経内科、消化器内科、呼吸器内科の順に該当患者さんが多いことが分かった。そこで、該当患者さんが最も多い食道乳腺甲状腺外科のご協力を頂き、術前に経腸栄養剤を飲用し、術後に嚥下食を摂取される食道癌周術期の方を対象に口腔内診査を開始することとした。院内の臨床研究倫理審査委員会の承認が遅れたこともあり、これまでに、3例の患者さんを対象に継続的な観察を行っているところであるが、現時点では経腸栄養剤摂取前のベースラインでの各患者データの個体差が大きく、嚥下食摂取による口腔内環境の変化を予測できるレベルには達していない。但し、1症例では経口摂取が禁止される時期が続くと安静時唾液の分泌量が低下するとともに口腔乾燥が増強し、嚥下食が開始されてもその状況はすぐには回復しないのではないかという知見が得られている。また、安静時唾液に比べてチューイングペレットを咀嚼して分泌した刺激唾液において高い緩衝能を示したことから、咀嚼を要しない嚥下食の摂取が長期間続くことが唾液の性状にも大きく影響するのではないかということが示唆された。次年度は食品についての基礎的研究を進める一方、対象患者の症例数を増やし、嚥下食摂取前後の口腔衛生状態に及ぼす影響因子についてさらに検討を加える予定である。
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