Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80244789)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (00038879)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
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Research Abstract |
平成22年度は、口腔ケラチノサイト上のneutral endopeptidase (NEP)の抗炎症作用について明らかにするため基礎的データを収集することを目的とした. ヒト培養口腔ケラチノサイト(hOMK100, hOMK107)を用いて,炎症誘発因子(NicotineとLPS),または炎症誘発因子に加えNEP活性阻害剤(phosphoramidonとthiorphan)を添加した培養細胞のNEP酵素活性ならびに,培養細胞から培養上清中に産生された炎症因子であるsubstancePとinterleuikin-1β(IL-1β)濃度をELISA法にてそれぞれ測定し比較検討を行った.その結果,LPS添加細胞群では,LPSのみの添加時に比べ,NEP阻害剤添加時においてNEP酵素活性が低下する傾向が認められた.またNicotine添加細胞群においては,Nicotineのみの添加時に比べ,NEP阻害剤のうちphosphoramidon添加時に大幅なNEP酵素活性の減少が認められた.LPSとNicotine添加細胞群において,培養上清中のSubstance P濃度は,LPS,またはNicotineのみの添加時においては無添加細胞と同様,低濃度であったが,NEP阻害剤を合わせて添加した際には大幅な増加が認められた.一方,IL-1β濃度は,LPS,またはNicotineのみの添加時に無添加細胞に比べて,増加する傾向が認められ,NEP阻害剤を合わせて添加した際はより増大する傾向は認められた.従って平成22年度の研究成果により,NEPは口腔ケラチノサイトにおいて,細胞から産生されるSubstance Pの産生量を直接制御していることが示され,一方,IL-1βの産生量の制御には,substance PほどにNEPの関与は認められなかったが,NEPが炎症ネットワークの制御に関わっている可能性が示唆された.
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