2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯科恐怖における脳神経メカニズムと精神科的アプローチの効果に関する脳機能画像研究
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21592666
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 医学研究科, 教授 (20213663)
鈴木 秀典 日本医科大学, 医学研究科, 教授 (30221328)
舘野 周 日本医科大学, 医学部, 講師 (50297917)
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Keywords | 歯科恐怖 / 脳神経メカニズム / 視覚刺激 / fMRI / 聴覚刺激 |
Research Abstract |
1)聴覚刺激課題のfMRI検査実施 歯科治療時の不快な聴覚刺激を素材とした心理課題についてfMRIの実験デザインは、ブロックデザインとし、課題呈示のブロックと安静条件(レスト)を交互に繰り返すこととした。研究参加に同意の得られた健康成人22名(女性12名、男性10名)に対して聴覚刺激課題のfMRI検査を実施した。同様に、研究参加に同意の得られた歯科恐怖を有する成人患者12名(女性9名、男性3名)に対してiMRI検査を実施し、歯科治療時の不快な聴覚刺激を素材とした心理課題を施行した。また、採取した唾液試料からストレス関連物質とバイオマーカーの定量分析を実施した。今後は、不快刺激呈示時の脳活動と、歯科恐怖度・健康関連QOL・心理性格特性・ストレス関連物質・バイオマーカーとの関連性を評価する予定である。 2)健康成人データの解析 研究に参加した健康成人の聴覚刺激課題に対するfMRI検査データを集計し、歯科恐怖に関わる脳領域を特定し、自己回答による歯科恐怖度との関連性を検討した。その結果については、北米神経科学会(Society for Neuroscience)にて学会発表を行った。 3)fMRI検査の実施 今後は、視覚刺激課題について、歯科恐怖を有する成人患者に対して実施するとともに、健康成人の被験者数を増加し、不快刺激呈示時の脳活動を2群において比較検討していく。さらに、歯科恐怖を有する成人患者に対する精神科的アプローチの介入効果を検討していく所存である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規ソフトウエアを導入したことにより、視覚課題と聴覚課題作製の効率化が図れた。一方、研究計画に視覚・聴覚刺激課題の情動評価尺度を評価することを追加したために、新たに健康成人の被験者をリクルートする必要性が生じ、そのための時間が費やされている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)歯科恐怖患者のリクルート 本研究の趣旨を説明し、参加に同意の得られた強い歯科恐怖を有するDental Fear Survey(DFS)値60以上の成人患者のリクルートを大学附属病院や関連歯科医院など多施設にわたって行う。 (2)被験者数への対応 歯科恐怖患者の被験者数が少ない場合には、現在、歯科に通院はしていないが、歯科恐怖を有する(DFS値50以上)一般成人もリクルート対象に含める。 (3)精神科的アプローチの実施 強い歯科恐怖を有する成人患者の中には、精神科的アプローチによる介入が実施できない場合も想定される。そのような場合には、介入前のベースラインの評価を健康成人と比較し、歯科恐怖の病像を中枢神経レベルで解明することとする。
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Research Products
(1 results)