2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592674
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢野 理香 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (50250519)
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Keywords | 手浴 / 脳血管障害患者 / 看護技術 / ケアモデル / 効果検証 |
Research Abstract |
今年度は、「回復期にある脳血管障害患者における手浴のケアモデル」を回復期にある脳血管障害患者に適用し、その効果を明らかにするために、回復期リハビリテーション病棟に、入院した患者を対象とし、無作為に実験群(手浴ケアモデル実施群)・対照群の2群に分け、手関節中指間距離、指尖手掌間距離、「手の動きの改善の実感」、「手の感覚の変化を実感」、「浮腫の緩和」、「痺れ・痛みの緩和」などについて2群間で、日数の経過に伴うパターンに差があるかどうかを比較するために、介入(手浴・対照)ならびに時間の2要因による反復測定2元配置分散分析などを行い、パス解析によるパスモデルを作成した。この結果をもとに、文献検討を再度行い、手浴の構成要素について再定義し、手浴の特化している点を明らかにした。そのうえで、脳血管障害患者における手浴に関するリーフレットを作成した。回復期リハビリテーションおよび療養型の病棟において、看護師など医療関係者を対象とし、手浴の講義を行い、技術の実際について紹介した。療養型病棟では、看護師にも手浴ケアを実施してもらえるように、講義・デモンストレーション・演習を行った。さらに、臨床看護師の協力を得て、研究者以外の看護師が入院患者に手浴を導入し、そのケア効果を検討した。主に、療養型病棟に入院中で、脳血管障害罹患後、活動性の低下した高齢者を中心としてケーススタディを行い、回復期リハビリテーション病棟において明らかにされた手浴の効果との比較を行った。自発的な発語が増加するなど、語りが促進されるという効果のほか、表情が柔らかくなる、うつ傾向が改善されるなどの仮説が導き出された。今後は、データ蓄積を行い、対象者の特性の差異による手浴の効果検証を進める必要がある。
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