2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592683
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡田 忍 Chiba University, 大学院・看護学研究科, 教授 (00334178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 淳子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 技術職員 (30396692)
亀井 克彦 真菌医学研究センター, 教授 (10214545)
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Keywords | 口腔ケア / ゴマ油 / 口腔カンジダ症 / 口腔乾燥 |
Research Abstract |
平成21年度は、ゴマ油がCandida albicansの増殖に及ぼす作用、マウス口腔カンジダ症モデルを用いたゴマ油による口腔清拭の評価、血餅除去に対する効果、健常成人での口腔水分量への影響、味覚等に対する検討をおこなった。 Candida albicansの増殖に及ぼす作用は、振とう培養装置を用いて同じく口腔ケアに使用する可能性のあるオリープオイルと比較した。検討した実験条件では、培地にゴマ油を加えると、オリーブオイルに比較して増殖を遅らせる傾向がみられたが、dose-responseが認められなかったので、さらに検討が必要であると考えられる。 マウス口腔カンジダ症モデルを用いた検討では、文献に記載されたプレドニゾロンの皮下注射では、口腔カンジダ症を長期に維持することが難しく、マウスの自然免疫によるCandida albicanの排除がゴマ油による口腔清拭の影響を上回り、ケアの効果を評価することが困難であった。遺伝的に免疫抑制のあるマウスを用いる必要性が示唆された。 血餅除去に対する効果についは、作成した血餅にゴマ油をたらして、血餅を除去する際にかかる垂直方向、水平方向の力を首都大学東京の水沼氏、宮本氏の協力によって作成した実験装置を用いて計測した。現在データを解析中である。 健常成人の口腔内水分量に及ぼす影響は、開口状態でゴマ油を舌に塗布し、口腔水分測定計で経時的な水分量の変化を計測した。10分間の計測では、オリーブオイル、グリセリン、生理食塩水に比較して、ゴマ油では、口腔水分量が保持される傾向にあった。 味覚に対する検討では、健康成人以外に、実際にゴマ油の臨床応用の対象となる高齢者の口腔内にゴマ油を塗布し、味覚について質問した。ゴマ油の塗布が不快であると回答したものはいなかった。 また1例ではあるが、要介護5の在宅高齢者で実際にゴマ油による口腔清拭を30日間実施してもらい、実施前後の口腔水分量、口腔内細菌数、炎症性変化、肉眼所見について比較した。対象者は介入開始前の口腔の状態が非常に良好であり、いずれの項目においても変化はみられなかったが、在宅では良い状態が維持されることも重要と考えられた。またを実施した介護者から、ケアが容易であり、対象者も不快感を示すことは無かったと肯定的なコメントがきかれた。
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