2009 Fiscal Year Annual Research Report
市民のウエルネスと継続参加を目的とした模擬患者バーデン尺度と教育実践ガイドの開発
Project/Area Number |
21592690
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
會田 信子 Nagoya University, 医学部, 准教授 (80291863)
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Keywords | 模擬患者 / 市民 / ウエルネス / 教育 / 尺度開発 |
Research Abstract |
本研究の5年間の研究目的は、(1)SP役市民の医療者教育への参加に伴う身体・心理・社会的負担の実態、健康への影響および影響要因を明らかにする、(2)SP役市民の身体・心理・社会的負担をスクリーニングするための『SP Burden尺度(仮称)』を開発し信頼性・妥当性を検証する、(3)上記の結果をもとに、SP役市民のウエルネスの維持・向上に配慮したSP演習を実施・運営するための、教育機関とSPコーディネート組織に対する『SP演習実践ガイド(仮称)』を考案することである。平成21年度は、『SP Burden尺度(仮称)』開発の基盤となる、SP Burdenの実態の構造化を目的とした調査準備と、『SP演習実践ガイド(仮称)』作成に参考とする基礎資料収集の準備、および調査に必要な質問紙作成を主な目的とした。 SP Burden尺度の構造化のために、類似する概念の理論や尺度に関する国内・国外文献(雑誌、書籍)を系統的にレビューし、KJ法でそれらの内容を整理した。その結果、構造化における項目として、「身体症状」「睡眠と覚醒の障害」「うつ病(状態)」「不安状態」「緊張」「ストレス反応(症状)」「バーンアウト」「社会的適応障害」が理論的にみいだされた。またその影響要因としては、SP教育活動の「リクルート」「コーディネート」「事前打ち合わせ」「役割の決定」「トレーニング」「パフォーマンス」「フィードバック」の一連の過程において、"健康な状態が持続できているか"との視点と、"SPが過剰負担と思う、もしくは苦悩させるような新しい事実が出現しているか"の二つの視点が尺度開発に必要となる可能性が示唆された。 平成22年度は、これらの理論的構造化をもとに、SPバーデン尺度の測定項目(素案)を収集・作成する。
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