2010 Fiscal Year Annual Research Report
気管吸引における療養環境を介しての感染予防の看護技法と教育システムに関する研究
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21592731
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
東野 督子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (00352906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 和人 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30099444)
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Keywords | 療養環境 / MRSA / 相対湿度 / ICU / 生存性 / 気管吸引 / 看護師教育 / 清掃効果 |
Research Abstract |
【研究目的】(1)湿度の異なる環境、相対湿度48%未満と88%以上の違いにおいてS. aureusの資材に付着する生存性を検討した。(2)接触伝播防止策の検討をするために、気管吸引を必要とするICU入室患者の療養環境において、2施設のICU看護師の気管吸引中にどの部位に接触しているのか、またその環境表面におけるMRSA検出状況はどれほどであるのかを調査した。 【研究成果】(1)療養環境に近い20℃における湿度の異なる条件、高湿度(88.7%RH)、低湿度(47.9%RH)で、1、2、3、7、15、30日後のS. aureusの生存性を比較した。アルミニウム片、銀片、ステンレス片において「低湿度」は「高湿度」よりいずれの菌株も生存期間の延長が見られた。抗菌効果があるとされる銀においては、湿度の異なる環境における生存性が異なった。銀片においては相対湿度が低い季節においてS. aureusの長期の生存が示されたことから抗菌効果を過信すべきでなく、適正な感染予防策を講じる必要があると考えた。銅片はいずれの菌株も湿度の状態に関わらず、乾燥直後に死滅した。付着細菌の生存状況は資材の違いのみでなく湿度の影響を受けると考えられた。(2)人工呼吸器を装着する患者の気管吸引を行う協力の得られたICU看護師53名の206場面の観察において、ICU看護師は手袋を破棄する前に患者リネンやモニター/ポンプボタン、呼吸器などに接触が見られた。2施設の33例の人工呼吸器を装着する患者の療養環境395(5箇所×76回)箇所からは、MRSAは30(7.6%)箇所検出された。MRSAは付着する材質によっては、長期に生存するため、療養環境における器材や資材を介する接触伝播を阻止するための適切な消毒や清掃等を定期的に行う必要があると考えた。
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Research Products
(2 results)