2011 Fiscal Year Annual Research Report
注視行動ビジョン・リサーチに基づく看護師の注射事故防止システムの開発
Project/Area Number |
21592734
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
川西 美佐 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 准教授 (80341238)
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Keywords | 看護学 / 医療事故防止 / ビジョン・リサーチ |
Research Abstract |
1.研究目的 研究目的は、注射実施過程における看護師の確認行為に焦点を当て、注視行動を分析してエラーが起きにくい新システムを開発することである。平成23年度は、「目標2.エラー発生要因の抽出、目標3.エラー発生要因を改善した新システムの設計」に取り組んだ。 2.研究成果 平成23年度は本調査と結果分析・考察を次のとおり行った。(1)調査期間:平成23年10月~平成24年2月(2)研究対象者:中国地方の総合病院1施設の病棟に勤務する看護師10名(3)調査方法:研究対象者1名ごとに次の方法でデータを収集した。1)病棟の薬剤室で、研究者が作成した模擬事例の注射処方箋と模擬注射薬を用いて、注射薬準備を行って貰い視線を計測した。2)病室で、模擬患者に模擬点滴を行って貰い(点滴は注射練習用腕モデルに実施)視線を計測した。3)視線計測後、確認行為についての60分程度の面接を行った。(4)データ分析方法:視線計測データは解析ソフトを用いて注視項目分析を行った。面接データは確認行為とエラー発生要因について質的帰納的に分析した。(5)結果・考察:注射処方箋や薬剤を指差し呼称で確認する際、指を指す行為と視線の動きとの間には時間的なズレがあり、指差し呼称が形式的になりがちであることが明らかになった。また、看護師の確認行為は処方箋と薬剤など2つ以上の対象を対比させながらの確認であるため、片手での単指差しよりも、対比する対象を両手で双指差ししながら確認した方が、注視時間が長く視線のさまよいが少ないことが明らかになった。(6)研究成果発表:本研究の成果もとに平成22年度ひらめき☆ときめきサイエンス「視線計測で防ごう!ナースの注射事故」プログラムを開催し、平成23年度に国内看護学会学術集会で3件の研究発表を行った。
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