2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳房温存術後に放射線治療を受ける乳がん患者に対する看護援助モデルの開発
Project/Area Number |
21592742
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
二渡 玉江 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (00143206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 清子 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (40134291)
堀越 政孝 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (80451722)
武居 明美 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (70431715)
中西 陽子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50258886)
廣瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80258889)
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Keywords | 乳がん / 乳房温存術 / 放射線療法 / 援助モデル |
Research Abstract |
患者のニーズに即したアセスメントツールを作成するために、乳房温存術後放射線治療を受けている乳がん患者の問題状況を質的・量的調査をもとに明確化した。 乳がん患者10名を対象とした質的調査では、放射線治療前の苦痛は「放射線治療移行への覚悟を決める」「治療が及ぼす影響に不安がある」「相談する快適な環境がない」など4カテゴリ、治療中では、「治療に伴う局所症状の出現による不安」「順調な経過であるという実感がない」など4カテゴリ、治療後では「治療による局所症状の残存による不安」「今後に対する不安」など3カテゴリが抽出された。以上は放射線治療のスムーズな移行と治療が継続には有害事象や治療に関する情報提供の必要性を示唆する。 乳がん患者22名を対象とした縦断的調査では、QOL-RTT(Radiation Therapy Instrument)日本語版によるQOL得点が低かったのは、治療開始前では、「治療部位の皮膚の不快」「局所に痛みを感じる」「医療費や生活費の心配」「治療を受けるのがこわい」などであった。治療開始初期では、「医療費や生活費の心配」「治療による仕事や生活への支障」などであった。治療3~4週では、「医療費や生活費の心配」「治療部位の皮膚の不快」などであった。治療終了1ヶ月では、「治療部位の皮膚の不快」「性生活に対する満足度」などであった。各時期におけるQOL得点とPOMS得点との相関では、全ての時期で緊張とQOL得点間に高い負の相関を認めた。以上の結果は、放射線治療の移行と治療継続には、治療開始前から、有害事象や適切な対処方法に関する教育、治療に関する情報提供の必要性を示唆する。 これらの結果をもとにアセスメントツールを作成し、臨床適用を開始した。今後は臨床実用性、適切性妥当性について検証を行う。
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Research Products
(1 results)