2011 Fiscal Year Annual Research Report
直腸癌で超低位前方切除術を受けた患者の排便障害支援システム構築に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
21592755
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 由美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壬生 隆一 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20200107)
川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969)
中尾 久子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164127)
樗木 晶子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60216497)
中尾 富士子 熊本大学, 保健学教育部, 准教授 (40363113)
宮園 真美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10432907)
金岡 麻希 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50507796)
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Keywords | 直腸がん / 排便機能障害 / QOL / 自己受容 / 自尊感情 / セルフケア / 超低位前方切除術 / 低位前方切除術 |
Research Abstract |
我が国は2015年には男女共に癌罹患率の1位になると推定される。大腸癌の中で直腸癌の占める割合は約4割と最も高い。下部直腸癌に対しては、直腸切断術(人工肛門造設術)が標準治療であるが、近年では技術の発達 と永久的人工肛門を造設する心理的負担が考慮され、超低位前方切除術(歯状線の口側2cm以内で吻合する術式)が行われている。これらの手術では一時的人工肛門の造設が行われ、人工肛門閉鎖後には便失禁・排便の不規則性などの排便障害の重症化や遷延化が懸念されている。さらに排尿・性機能障害も起こりうる。 申請者は、H21~H23年基盤研究(C)「直腸癌で超低位前方切除術を受けた患者の排便障害支援システム構築に向けた基礎的研究」の助成を受けて手術後2年間の縦断的研究を実施して以下の結果を得た。 1)超低位前方切除術群の排便障害は、術後2年でも約2割が重症に分類され、低位前方切除群と有意差を認めた。対処方法では「食事時間や量の調整」「肛門周囲の軟膏の使用」「外出を控える」の頻度が超低位前方切除術群において有意に高い。2)超低位前方切除術群は、QOL(SF36)の項目のうち「日常役割機能(精神)」や「社会生活機能」の低下が著しく、術後2年でもQOLの8項目中6項目は国民平均値を下回った。3)QOLの各項目には「排便障害」と「自己受容」が最重要の項目として有意に挙げられた。4)半構造的面接では、①術前は、永久的人工肛門か肛門温存かの術式の選択に意識が向いており、排便障害についての説明がよく認識できていなかったと語る患者が多い。②患者は、排便障害が重症でも人工肛門よりはましであると考えながら対処していることも多いが、その逆の例もある。③排便障害に関する専門的情報の不足や社会の認識不足により精神的苦痛を受けている。 以上の結果を踏まえた支援が、QOLの向上につながることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)