2009 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病患者における血糖コントロールとストレス対処系の関連および介入効果の検討
Project/Area Number |
21592758
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大田 明英 Saga University, 医学部, 教授 (40128129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 明美 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00336140)
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Keywords | 2型糖尿病 / 視床下部・下垂体・副腎系 / ストレス / ホルモン / 自己効力感 / コヒアレンス感 |
Research Abstract |
【目的】今年度は2型糖尿病患者において、ストレス対処能力に関連するコヒアレンス感や自己効力感、自覚ストレスの程度、ストレス関連ホルモンと血糖コントロールの相互の関連性を調べることにより、患者におけるストレス対処関連能力と病態との関連およびストレス対処系(視床下部・下垂体・副腎系:HPA-axis)の機能について検討することを目的とした。【方法】2型糖尿病患者91名、健常人54名において、自覚ストレス度調査、一般性自己効力感、コヒアレンス感および安静時の血清中ストレス関連ホルモン(CRH、ACTH、コルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリン)濃度を測定した。【結果・考察】患者群における血中CRH、コルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリン濃度は健常群より有意に高値を示したことから、HPA-axisが持続的に活性化されており、血糖上昇作用を持つこれらのホルモンが血糖コントロールに悪影響を及ぼしている可能性が示唆された。患者群における自覚ストレスの程度やストレス対処関連能力は健常群と有意な差を認めなかったが、特に自覚ストレス度が高い患者群の中で自己効力感やコヒアレンス感が低い者はよりコルチゾール値が高く血糖コントロール(HbA1C、空腹時血糖値)が不良であった。これらのことは、2型糖尿病患者におけるストレス対処系(HPA-axis)の機能異常、ストレス対処関連能力および血糖コントロール状態が互いに密接に関連していることを示唆する重要な新知見である。特に自覚ストレス度が高い患者において、今後血糖コントロール改善のためには、自己効力感やコヒアレンス感向上を目指した看護介入が大切であるとの意義が示され、次年度からの介入研究につながる成果が得られた。
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Research Products
(1 results)