2010 Fiscal Year Annual Research Report
心臓血管外科手術を受ける患者及び家族の手術意思決定サポートシステムの開発
Project/Area Number |
21592773
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
稲垣 美紀 梅花女子大学, 看護学部, 講師 (60326288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 恵美子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (00286907)
石澤 美保子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (10458078)
竹下 裕子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10437668)
藤原 尚子 梅花女子大学, 看護学部, 講師 (90469544)
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Keywords | 意思決定 / 心臓血管外科手術 / 周手術期看護 / 内容分析 |
Research Abstract |
急性期専門病院の病棟で、心臓血管外科手術を受けた入院患者を対象として、心臓血管外科手術の意思決定上に影響した要因と期待するサポートシステムや期待する看護援助について研究者が作成した半構成的質問紙に基づいた面接調査を行った。対象者は、19名(男性13名、女性6名)で、年齢は40歳代から80歳代であり、平均年齢は67.8歳であった。面接調査で得られたデータを内容分析した結果、意思決定上に影響した要因は、【症状や日常制限があることで、なんらかの治療の必要性があるという認識】【手術により苦しい症状や日常生活が軽減するという期待などの13カテゴリーに分類された。期待するサポートシステムは、【内科・外科の医師や看護師が密に連携し、安心・信頼できる診療体制がある】【外来通院中から、心臓の疾患や手術についての情報を映像・書籍・患者教室等で知ることができる】などの6つのカテゴリーに分類された。期待する看護援助は、【手術前に精神的に落ち込んでいる時の看護師との話や励まし】【手術前の検査や手術までの段取りについてのわかりやすい説明】などの6つのカテゴリーに分類された。これらの結果から、患者の意思決定には、個々の患者の手術や必要性に対する認識や思いが影響しており、看護師が医師と協力し、患者の状況に合わせた病状や手術に対する理解を促し、手術に向けて患者が気持ちの整理ができるようサポートする必要性が示唆された。また、患者は入院前から手術に関する様々な情報を得ることを期待しており、外来等での新たな情報提供システムの開発の重要性が示唆された。さらに、患者は看護師に手術前の精神的なケアや検査や段取り等のわかりやすい説明を求めていたが、具体的に看護師に意思決定上は相談しないという場合も多く、看護師が意思決定上で提供できるサポート内容を伝え、意識的にサポートを提供していく必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)