2010 Fiscal Year Annual Research Report
ICUにおける人工呼吸器離脱患者のcomfortを促進する看護介入モデルの開発
Project/Area Number |
21592774
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
江川 幸二 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90276808)
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Keywords | ICU / 人工呼吸器 / ウイニング(離脱) / comfort / 介入モデル |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画にもとづき、昨年度にデータ収集できなかった研究参加者に対するICUでの人工呼吸器からの離脱場面の参加観察、および病棟帰室後の面接調査を実施し、comfortをもたらす要因について明らかにし、仮説としての介入プログラムモデルを作成している途中である。 現状では、看護師は通常ケアとして、疼痛管理や呼吸しやすい体位や患者に合わせた人工呼吸器の設定などといった身体的な苦痛の原因に働きかけることを実施しているため、本介入プログラムは患者の安心感や、つらくても頑張ろうと思えるケアを中心に介入モデルを考えることとした。患者が安心感を得るためには、看護師・医師によってサポートされている実感や状況理解の促進(手術が無事に終わっていること、時間の流れを伝えること、現在は声がでないが口の管が抜ければ楽になり声が出るようになること、誤った記憶の訂正、患者がいる場所を伝えること、チューブなどに触れて自分の状態を知ることなど)、安全であることを保証すること、家族との面会時間の活用、患者から言われなくても察して日常生活上のケアをすること、など自分の置かれている状況や今後の見通しを理解した上で、任せていれば大丈夫と思えるような関わりが含まれる。 また患者がつらくても頑張ろうと思えるためには、患者の頑張りを認めること、患者がつらそうな時にはそばに添い、状況に応じてタッチをおこなう、つらい時には遠慮なく看護師を呼ぶように伝えること、明るい表情での挨拶や言葉かけをすること、回復をともに喜ぶこと、患者の訴えや伝えたいことをコミュニケーション技術を用いて知り、患者の意思を尊重すること、家族にも状況を伝えて家族からも励ましの言葉をかけてもらうこと、など人間としての関係性を維持し、麻酔や鎮静剤の使用および手術侵襲による体力の消耗などで低下している患者の自我機能を強めていくための関わりが含まれる。
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