2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者に対する自己管理の推進を目的とした遠隔看護の有用性に関する研究
Project/Area Number |
21592776
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
東 ますみ 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 准教授 (50310743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 紘 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20028393)
石垣 恭子 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20253619)
神崎 初美 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80295774)
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Keywords | 糖尿病 / 自己管理 / 遠隔看護 |
Research Abstract |
職業を有する壮年期男性2型糖尿病患者に対して、セルフレギュレージョンプロセスを促進させるためのフィードバックを用いた遠隔看護を提供する介入群、フィードバックのない自己完結型の遠隔看護である準介入群、外来での看護支援を行う通常群の3群を設定し、行動変容や負担感情、満足度、糖尿病のコントロール状態を示す生理的データを収集し、分析を行った。 介入群(n=15)、準介入群(n=12)、通常群(n=16)における、自己管理行動得点、PAID得点、BMI、HbAlcの群間比較、および経時変化による比較の結果から、準介入群では、経時変化において自己管理行動得点が上昇し、PAID得点、BMI、HbAlcは低下する統計的に有意な変化がみられた。介入群の自己管理行動得点も、遠隔看護ケア提供によって上昇する傾向がみられた。通常群では、HbAlcは経過に伴い一旦統計的に有意に低下するが、その後有意に上昇し、BMIは経過が長くなると準介入群より変動率が有意に小さくなり、しかも増加に転じる結果であった。 これらの結果から、(1)療養生活の中で問題や疑問が生じた時、あるいは解決策を求めてきた時など、個々のニーズに応じた最適なタイミングで介入すること、(2)積極的なアプローチよりもセルフレギュレーションプロセスを側面から支援し、主体性を尊重することが有効であると考えられる。 今回、介入群では、自己管理行動得点やPAID得点、BMI、HbAlcに統計的に有意な変化はみられなかった。しかし、「満足」「役に立った」「3ヶ月間受けた遠隔看護を他の糖尿病患者に勧めたい」「今回受けた遠隔看護をお金を払っても受けたい」と感じた人が準介入群よりも多かったことから、介入群に実施したフィードバックは、支援者の存在を身近に感じさせることに繋がったと思われる。
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Research Products
(5 results)