2010 Fiscal Year Annual Research Report
外回り看護師の患者の手術侵襲が最小限になるための先見性に基づいた行動モデルの開発
Project/Area Number |
21592786
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Research Institution | University of KinDAI Himeji |
Principal Investigator |
小西 美和子 近大姫路大学, 看護学部, 准教授 (60295756)
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Keywords | 手術看護 / 外回り看護師 / エキスパートナース / 先見性 |
Research Abstract |
平成22年度の研究目的は、外回り看護師における患者の手術侵襲が最小限になるための先見性について構造化を行うことである。そのために外回り看護師が手術前から手術直後までに受け持ち患者に対して手術侵襲が最小限になるために行っていること、どのようなことを考えながら行動しているかを明らかにすることである。そこで協力が得られたA施設において平成22年4月から平成23年1月にかけて調査に協力が得られたのは10名である。外回り看護師が外回り看護師として担当する手術に研究者は観察者の立場で手術室に入室し参加観察を行った。その後外回り看護師に対して半構成的質問紙によるインタビューを行った。インタビュー内容はICレコーダーに録音し逐語録にし看護師が先見性に基づいて行為している箇所を一つのまとまりとして抽出した。現在は8例の比較分析からカテゴリーを抽出していくためのコード化を行っている段階である。そのなかで明らかになってきたことは、看護師は手術が始まるまでの短時間の間にあらゆる事態を想定した<モノの準備>、<状況を調える>ことを重視していた。また術中は<バイタルサインの変化をキャッチする>、<出血に対する報告の仕方>、<出血時の対応>、<体温調整をこまめに行う>、<皮膚を守る>において、術直後は<自然に目覚められるような援助><安全の確保>など、看護師は手術が短時間で終了し手術侵襲が大きくならないために、患者の状態を観察し、他職種との連携を図っていることがわかった。今回の調査において手術室看護師が患者に対して五感を使いながら患者の命を守り抜く行為が要所要所でみられた。このことからこれまであまりクローズアップされていなかった手術室内での現象、外回り看護師の行為を見続けてきたことが今度の手術看護の具現化に寄与していくのではないかと考える。今後は、残りの事例分析を進め、カテゴリー化を行い、構造化まで到達していくことを目指し学会発表等を積極的にしていく予定である。
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