2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝医療における倫理を主題とした新規生命倫理教育ツールの開発
Project/Area Number |
21592793
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小笹 由香 Tokyo Medical and Dental University, 生命倫理研究センター, 特任助教 (40310403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 特任教授 (80282771)
藍 真澄 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 特任助教 (00376732)
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 生命倫理 / 遺伝看護 / 倫理教育 |
Research Abstract |
クライエント側と、医療者・研究者側の認識にズレが生じないよう、遺伝カウンセリングでは特にわかりやすく説明し、Informed Choiceできるように支援するよう留意する必要がある。そのためには、家系図や遺伝的背景、家族関係、疾患やそれぞれの思いなど遺伝カウンセリングにおいて語られた内容などをデータベースとして蓄積し、疾患別の切り口ではなく、疾患に対する関係性(本人・親・同胞・配偶者など)や、それぞれの立場で考える遺伝子に関する問題(次世代への影響など)など、詳細な症例分析を行うことが重要である。したがって今年度はまず、平成15年~平成20年度の全症例について遺伝カウンセリング内容(家系図、遺伝形式、妊娠・胎児への影響を含めた遺伝医学的背景、疾患の受けとめ、検査の受否に対する検討、悩みや葛藤、家族内での意見の相違など、遺伝カウンセリング内容:約100症例)などを整理し、個別分析(検査に至る経緯、期待、動機、当該疾患の遺伝形式・予後など遺伝的背景、疾患の受けとめ、患者との関係、検査内容の理解、結果に対する検査前の考え、遺伝カウンセリングを重ねる中での心情の変化の有無、友人などサポート体制、最終的な判断に至る経緯、検査を待つまでの心情、検査結果についての考え、今後の展望など)に着手した。これら一部の個別症例分析により、関連学会などでの成果発表などを通して遺伝医療の問題における特殊性が明らかになった。今後はさらに個別分析に深めると共に、グループ症例群を対象に、相談内容(遺伝性疾患、染色体・遺伝子検査など)に関する動機、これまでの経緯、疾患・検査の受けとめ・期待、など)について分析し、遺伝子に関わる問題の個別性と共通性についてこうした最新の医療実践の中から、生命倫理教育ツールへと普遍化をめざす。
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Research Products
(6 results)