2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝医療における倫理を主題とした新規生命倫理教育ツールの開発
Project/Area Number |
21592793
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小笹 由香 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 講師 (40310403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 教授 (80282771)
藍 真澄 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 講師 (00376732)
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 遺伝看護 / 生命倫理 / 倫理教育 |
Research Abstract |
遺伝子診療外来開設以来、実践してきた遺伝カウンセリング症例をデータベースとして構築するため、全症例についての家系図、遺伝形式、妊娠・胎児への影響を含めた遺伝医学的背景、疾患の受けとめ、検査の受否に対する検討、悩みや葛藤、家族内での意見の相違など、遺伝カウンセリング内容などについて、約300症例については完了した、これらの中で、検査に至る経緯、期待、動機、当該疾患の遺伝形式・予後など遺伝的背景、疾患の受けとめ、患者との関係、検査内容の理解、結果に対する検査前の考え、遺伝カウンセリングを重ねての心情の変化の有無、友人などサポート体制、最終的な判断に至る経緯、検査を待つまでの心情、検査結果についての考え、今後の展望など)個別分析を実施し、関連学会などでの成果発表などを通して遺伝医療の問題における特殊性の明確化をはかった。また、これまでの出生前診断、発症前診断、着床前診断における看護ケアに関する研究結果、および考察などと照合し、関連する領域における遺伝に関わるケアの個別性について、洞察を深めた。さらに関連領域・他職種などを加味して検討するため、例えば周産期では関係する領域(産婦人科・小児科・精神科)・職種(医師・看護職・臨床心理士など)が一堂に会するような研修会で啓蒙活動を展開した。これらを通して、遺伝が主軸ではなく、すべての領域で遺伝が関係するという視点が浸透し、家族・生活・医療の継続性といった、他領域の医療全般における生命倫理的課題との共通性が見いだされた。 したがって、特に学部教育(基礎教育)では、職種・領域を超えた連携すなわちチーム医療としての基本を教育できるような側面を持ち、一部の症例を用いて個別性と共通性に注目した、生命倫理教育ツールとして展開していった。
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Research Products
(8 results)