2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592797
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
亀田 幸枝 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40313671)
|
Keywords | エンパワメント / 尺度 / 妊婦 / 臨床 / 検証 |
Research Abstract |
妊婦のエンパワメント尺度の臨床への適用と妊婦のエンパワメント支援への示唆を得るために、出産前クラスの評価ツールとしての有用性、妊婦のエンパワメントの関連要因について検討した。I県の4つの産科施設で行われている出産前クラスに参加した妊婦125名を対象にクラス前、クラス直後、クラス後1か月の3時点で妊婦のエンパワメント(以下、エンパワメント)、クラス評価、属性、1か月後の行動遂行状況等について調査したデータを分析した。なお、クラス後1か月時点まで回答が得られたのは61名であった。エンパワメント得点は、クラス直後の方がクラス前よりも有意に得点が高かったが(p<.05)、クラス直後に得点が低下した妊婦は14名(11.2%)、得点が変わらなかった妊婦は10名(8.0%)であった。これらより、エンパワメントは介入によって操作可能であり、介入次第ではエンパワメントを上下させることが示され、本尺度はクラスの評価ツールとして利用できることが示唆された。関連要因の検討では、クラスに参加して「気持ちが楽になった」という感覚がエンパワメントの変化に影響していた(β=.26)。また、エンパワメントとの関連が示唆された属性は「出産歴」、「妊娠経過」、「合併症の有無」、「妊娠を希望していたか否か」であり、経産の方が初産より、妊娠経過が順調な妊婦の方がそうでない妊婦より、合併症のない方がある妊婦より、妊娠を希望していた方がそうでない妊婦よりエンパワメントが高い傾向にあったが、クラス前後の変化量は属性によって有意な差はなかった。また、エンパワメントと行動変容との間には正相関をみとめ、さらにクラス直後のエンパワメントは1か月後の妊婦行動に影響することが示された。以上より、エンパワメント支援の意義と介入の視点が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ分析の途中であり、予定していた結果公表は準備段階であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査対象施設の臨床スタッフに連携研究者として協力を依頼する。研究プロジェクトを組み、調査データの収集・分析・考察等を共同で行う。
|