2009 Fiscal Year Annual Research Report
産後4か月までの母親の「母親としての自信」を醸成する看護の開発
Project/Area Number |
21592798
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小林 康江 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70264843)
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Keywords | 母性 / 移行 / 多変量解析 / 共分散構造分析 / 看護 / 母親としての自信質問紙 |
Research Abstract |
【目的】産後4か月までの母親としての自信の獲得に影響する要因に対する仮説モデルを立て、産後4か月までの母親としての自信の獲得に影響する要因の関係性を検討した。【方法】育児に関して特異的と考えられる3地域を対象地域とし、研究協力の承諾の得られた病院・診療所を調査対象施設とした。研究対象者の選択基準は、調査期間内に出産し出産した子どもを育てる女性であり、研究の同意が得られるものとした。データ収集方法:妊娠35週以降の妊婦健康診査受診時、施設から質問紙の配付を行い、郵送法にて回収し、その後は個別に郵送し、回収した。測定用具:1.楽観主義尺度、2.人生の志向性に関する質問紙、3.母親の愛着質問紙、4.母親としての自信質問紙、5.母親の受けたケアの認識質問紙、6.主観的幸福感調査票、7.母性意識尺度、デモグラフィックデータ。1・2は妊娠期、3から7は産後に用いた。分析は妊娠末期、産後1か月、産後4か月の3回の調査に返答し、それぞれの質問紙に対して85%未満の回答率のものを除外した341名(有効回答率97.7%)を対象とし、共分散構造分析を実施した。【結果】平均年齢32.0歳(SD±4.6)、初産婦193名(56.6%)、経産婦148名(43.3%)。産後4か月の母親としての自信に強く影響する要因は、産後1か月の「母親としての自信」であった。そして産後1か月の母親としての自信には、妊娠中に「育児の知識がある」「育児ができる」と思う「育児の経験」が最も強く影響し、次に「産後1か月までのケア」が影響していた。「産後1か月までのケア」の中では、母親の話を傾聴する"デブリーフィング"、"育児の保証"が強く影響していた。つまり産後4か月までの【「母親としての自信」を醸成する看護ケア】として、産後1か月までの母親に対して、"デブリーフィング""育児の保証"という看護を提供することで有効であることが示唆された。
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