2010 Fiscal Year Annual Research Report
産後4か月までの母親の「母親としての自信」を醸成する看護の開発
Project/Area Number |
21592798
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小林 康江 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70264843)
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Keywords | 母性 / 看護 / 準実験研究 / 母親としての自信質問紙 |
Research Abstract |
平成21年度の共分散構造分析の結果、産後1か月までの母親に対して、母親の話を傾聴すること、母親の行っている育児を保証するという看護を提供することは、母親としての自身に影響を与えることが明らかとなった。平成22年度の研究目的は、初めて育児をする母親を対象に、助産師による母親の自信をつけるケアの効果を検証することである。時系列準実験研究デザインを用い、【母親としての自信をつける介入】を実施した。介入は、助産師が母親の話す育児や気持ちを良く聴き、承認し、保証と肯定的な評価を伝えることである。時期と方法は、退院後1~2週後に電話訪問、3週後に面談を行った。比較群は36名、追跡できたものは35名(追跡率97.2%)、介入群は39名、追跡できたものは34名(追跡率87.2%)であった。測定用具は、日本語版母親としての自信質問紙(以下,J-MCQ)を用い、事前テストを退院前日、事後テストは産後1か月に実施した。事前テストにおけるJ-MCQ平均得点は、介入群34.12点(SD=8.15)、比較群34.54点(SD=7.87)で有意差は認められなかった(t=0.220, p=.862)。事後テストのJ-MCQ平均得点は、介入群47,24点(SD=8.69)、比較群42.83点(SD=7.52)で有意に介入群が高値を示した(t=2.253, p=.028)。また、両群とも事前テストより事後テストで優位に得点上昇が認められた(介入群:t=11.68, p=.000,介入群:t=6.28, p=.000)。助産師が母親の話す育児や気持ちを良く聴き、承認し、保証と肯定的な評価を伝える母親としての自信をつけるケアは、産後1か月の母親としての自信をつけることに効果を示した。
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Research Products
(1 results)