2010 Fiscal Year Annual Research Report
子どもを亡くした遺族のグリーフワークを支える社会的ネットワークに関する研究
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21592818
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
大久保 明子 新潟県立看護大学, 看護学部・看護学科, 講師 (70279850)
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Keywords | 子どもの死 / 遺族ケア / 看護師 / 小児看護 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護師が行っている子どもを亡くした遺族へのケアの具体的な内容を明らかにすることである。研究方法は、全国の小児専門病院及び小児病棟を有する各施設の看護師・助産師12名に半構成的面接を実施した。協力者の平均年齢は37歳、遺族ケア経験年数は、2~4年が6名、1年未満、5~6年、9~10年が各2名。所属は、小児病棟、新生児集中治療室(以下NICU)、産科病棟、救急救命センター。遺族会を運営している人2名、現在遺族会の立ち上げ準備中1名、子どもを亡くした遺族へのケアを必要としている状況には、小児病棟やNICUにおける小児がんや先天性疾患などだけではなく、産科病棟での死産、救命救急センターでの事故や乳児突然死症候群などがあった。遺族ケア実施の動機として、「遺族の希望」「遺族の病院訪問や手紙」「遺族会への参画の機会」「遺族ケアの必要性の気づき」「子どもの死の衝撃による遺族ケアへの関心」「子どもや家族との関係性ができていたことによる気がかり」があった。具体的内容には、「看取りケアの充実」「お通夜や葬儀への参列」「手紙やメール面談などによる遺族の思いの傾聴」「遺族の悲しみをいやすためのカードやパンフレットの送付」「理解者となる遺族の紹介」「医療者との子どもが生きていた証の共有」「遺族が安心して自由に話せる場の確保」が挙げられた。遺族ケア実施は、遺族の希望や遺族の病院訪問や手紙などの受け身的な動機がある一方、ケアへの不全感や研修会の参加による遺族ケアの必要性の気づき、子どもの死に対する看護師自身の衝撃を癒すためという自発的な動機の2つの側面があった。また、入院中の子どもや家族との関係の深さが遺族ケアの実施に影響していることが推察できた。
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Research Products
(2 results)