2011 Fiscal Year Annual Research Report
子どもを亡くした遺族のグリーフワークを支える社会的ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
21592818
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
大久保 明子 新潟県立看護大学, 看護学部・看護学科, 講師 (70279850)
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Keywords | 子どもの死 / 遺族ケア / 看護師 / 小児看護 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、子どもを亡くした遺族を支援するサポートグループの設立とその支援活動に参与したスタッフの体験から支援者のあり方について示唆を得ることである。子どもを亡くした遺族のサポートグループ設立を周知するために、子どもを亡くした遺族等によるシンポジウムを開催し、約30名が参加した。サポートグループは、2011年6月から隔月で実施し、自由に語り合う形式で行い、参加者の延べ人数は41名であった。サポートグループでの支援者のあり方について示唆を得るために、支援者5名に無記名自記式質問紙調査法で自由記載による回答を求め、データを意味内容ごとにカテゴリー分類して質的に分析した。支援者の戸惑いには、「新しい活動への緊張や心配」「子どもを亡くした経験がないことによる遺族の気持ちの理解の難しさ」などがあり、「居心地のよい環境作り」「話してもよいと感じられる雰囲気作り」「遺族のニードの察知」「話したくない自由の尊重」などに配慮していた。遺族との関わりから得られたものとして「遺族が笑顔になり癒されていくことへのやりがいや喜び」「遺族との心の通じ合い」「人間らしい豊かで貴重な時間」などがあった。支援者の戸惑いを軽減するために、活動開始前からお互いに支え合える体制作りや学びの共有が必要である。また、物理的な場を提供するだけでなく、自然体で遺族を迎え入れるという雰囲気も大切であること、参加者のニードを察知することや話すきっかけを作ることなどファシリテーターとしての役割が適切に遂行できたか否かについて客観的に評価し、適宜修正していくことが重要である。さらに支援者が遺族支援を肯定的に意味付けることは、支援活動を継続する原動力になると考える。
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Research Products
(4 results)