2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの発達特性により日常生活で困り感をもつ母親を支援するシステムの開発
Project/Area Number |
21592831
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
木戸 久美子 Yamaguchi Prefectural University, 看護栄養学部, 准教授 (40269080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 隆 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20253148)
藤田 久美 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (40364129)
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Keywords | 発達障害 / 育児支援 / 育児不安 / 育児困難感 / テキストマイニング / 地域 |
Research Abstract |
本研究は、育児について日常生活上の困まり感をもつ発達障害児及び発達障害が疑われる子どもをもつ母親を居住地域で支援するためのシステムを開発することを目的としている。平成21年度は、発達障害児及び発達障害が疑われる子をもつ母親の子どもや自分自身のことに関して気がかりなことや発達や育児に関する相談に関する困難感等から、育児支援ニーズを明らかにすることを目的とした。 発達障害児および発達障害が疑われる子をもつ母親18人を対象とし、半構造化面接法を行いデータを収集した。同時に、発達障害児および発達障害が疑われる子どもの母親では子どもの育児に対する困難感が強く抑鬱傾向を示すことが推察されることから、インタビュー時には、メンタルヘルスのスクリーニングとして、米国国立精神保健研究所で開発された国際的に標準化され普及しつつあるとされる尺度のThe Center for Epidemiologic Studies DepressionScale ((以下CES-D)を用いて抑鬱傾向を調査した。インタビューガイドの設定には林らが臨床現場で使用している発達障害児の親支援項目シートを参考に策定した。対象とした発達障害児および発達障害が疑われる子どもの年齢から幼児期、学童期前期および学童後期(思春期)の3つに区分し、結果を分析した。特に幼児期の子どもをもつ母親で顕著であったのは、子どもの障害診断を受けて間もないこともあり、CES-Dの結果、抑うつ傾向を示す母親が多くみられた。時期によっては母親へのメンタルヘルスサポートを最初に行う必要があると考えた。また、テキストマイニングによる分析の結果、医療機関や相談機関からの情報提供を求める要望や、相談窓口が少ない上に一般的に認知されていないことが明らかになったことから、母親の居住地域における相談窓口の設置および情報の集約化、さらに、相談窓口の周知・啓蒙が必要であると考えた。
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Research Products
(5 results)