2010 Fiscal Year Annual Research Report
AIDを選択した親と産まれた子どもが共に幸せになるための情報提供に関する研究
Project/Area Number |
21592835
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清水 清美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (70323673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沖 暁子 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (80118984)
柘植 あづみ 明治学院大学, 社会学部, 教授 (90179987)
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Keywords | 非配偶者間人工授精 / 家族づくり / 情報提供 |
Research Abstract |
国外の調査では、Ken Daniels氏(非配偶者間の生殖技術を利用しようとする患者や家族、生まれた子どもの調査に関する世界的一人者。ニュージーランド政府の生殖補助医療に関する政策づくりに貢献)を招聘し、ニュージーランドの実態について聞き取りを行った。ニュージーランドでは、親は自分の子どもに対してどのように家族が形成されてきたかオープンにする土壌がある。それは自然発生したものでなく、以下の点において教育的な啓蒙活動がされてきた(1.家族形成における生物学的・心理学的・社会学的アプローチー医師とカウウンセラーの共同2.「秘密にする・秘密をもつ」ことが家族機能を破壊するリスクをもつこと3.ベストな選択をし、選択した技術に対しては自信を持ち誠実な子育てをする-適切な情報と支援4.子どもが真実を知りたい本当の理由)。また、不妊カップルの自信は、当事者のみならずパートナー、属する家族、属する社会との関係性のなかで影響を受けると指摘した。 国内の調査では、DIを選択した夫婦の体験に関する調査をグループインタビューで実施した。治療決定までは、「妻は夫ともに話し合いたい」、「夫はこの問題から距離を置きたい」に別れ、治療が開始してからは、「夫の治療への関心の低さが妻の夫への不満や不振感を増大」させ、子育てを開始してからは、「妻は遺伝的なつながりのない父子関係に不安」「夫は父親としての自信の揺らぎ」を感じていた。各々抱く不安や心配を「夫婦間、重要他者に吐露できない孤独やストレス」を高めていた。
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Research Products
(2 results)