2011 Fiscal Year Annual Research Report
AIDを選択した親と産まれた子どもが共に幸せになるための情報提供に関する研究
Project/Area Number |
21592835
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清水 清美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (70323673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沖 暁子 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (80118984)
柘植 あづみ 明示学院大学, 社会学部, 教授 (90179987)
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Keywords | 非配偶者間人工授精 / 家族づくり / 情報提供 |
Research Abstract |
子どもへの告知を積極的に実施しているオーストラリアビクトリア州不妊治療局の地域教育を担当しているKate Bourne、米国で精子や卵子の提供者および異父母きょうだいを探すRDS(Donor Sibling Registry)のデレクターをしているWendy Kramerに自国における非配偶者間の生殖医療における実態と課題をインタビュー調査により得た。Kate Bourneはビクトリ・ア州の活動から、親や提供者へのインフォメーションだけでなく、産まれた人のニーズ(年齢や人生のイベントを考慮して)に合わせたフォロー体制を組織的に持つことの重要性、カウンセラーが仲介役で対面した提供者と生まれた人はその後、個々の体験の中で二者間の交流のルール(rules of engagement)を定めて継続的に交流し始めていること、ビクトリア州戸籍証にはDIで出生した事実がたどれるよう規定したことを述べた。一方州外・国外で治療をした人にこのサービスが適応できず、国・世界レベルでこの問題へ統一した対処が必須であると指摘した。RDSは現在34000人以上の会員がおり、11年の実績の中で約9000人以上の異父母きょうだいを繋げる活動を実施している。RDSの調査では、生まれた人が提供者を探す主な理由は、自分自身の起源や祖先をより知りたい、医学情報を知りたい、提供者と関係性を築きたいがあり、提供者には親とは思えないが自身にとって大切な存在として認識しており、異父母きょうだいには近親者・仲の良い知人・親友と捉えて認識していた。また、レズビアンやシングル家庭と比較し異性カップルが子どもに事実を伝えない傾向にあること、斡旋業者や医療施設側の問題として提供者の遺伝疾患や提供回数について十分な検査・調査をしないこと、この実態を国が野放しにしている点について指摘した。本調査をふまえ、3年間に収集したデータを元にわが国の不妊カップルへの情報提供について検討し、情報提供資料作成を試みた。
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Research Products
(3 results)