2011 Fiscal Year Annual Research Report
未熟児網膜症スクリーニングにおける超早産児のストレスを低減するケアに関する研究
Project/Area Number |
21592836
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 好枝 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (90234955)
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Keywords | 看護学 / 臨床 / 未熟児網膜症 / 超低出生体重児 / 唾液コルチゾール |
Research Abstract |
【目的】超低出生体重児を対象に未熟児網膜症眼底検査の影響を唾液コルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)により明らかにすることである。 【研究方法】研究デザインは、1群、事前-事後テストデザインである。対象は、在胎28週未満または1000g未満で出生し、修正週数29週~33週において眼底検査が予定された在胎週数相当の児を順次選択した。データ収集は、眼科診察手順に基づき、点眼開始30分前(眼底検査1.5時間前)から終了後2時間とした。生化学的指標である唾液コルチゾール・DHEAは、4時点で採取し冷凍保存後、あすか製薬メディカルに依頼し、液体クロマトグラフィ/タンデム型質量分析(LC-MS/MS)法により分析した。統計分析はSPSS 20J for Windowsを使用し、有意水準は5%とした。 【結果・考察】対象7名の平均在胎週数は25週4日、平均出生体重は739.2gであり、観察時の修正週数は33週1日、体重は1242.7gであった。眼底検査前、直後、1時間後、2時間後の唾液コルチゾール値(ng/g)は、2.89±6.18、2.29±2.37、4.44±5.32、3.25±4.27であり、DHEA(ng/g)は、1.21±2.00、1.80±1.61、2.09±2.90、1.88±2.28であった。1時間値・2時間値ともに検査前(baseline)の値を上回っていたが、反復測定による一元配置分散分析および多重比較では、時間における変化に差は認められなかった。とはいえ、眼底検査では、開瞼器が装着され、未熟児鉤による眼球回転・圧迫、さらに双眼倒像鏡を用いた診察が続くことから、生理学的・行動学的影響は大きいものと推測される。今後は、より確実な唾液採取法の確立と必須の検査が引き起こすストレスからの早期回復に向けたケア方法の開発が課題である。
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Research Products
(1 results)