2009 Fiscal Year Annual Research Report
不本意に治療を中断する不妊症患者夫婦の要因分析:治療開始から1年後までの追跡調査
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21592837
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
實崎 美奈 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (80412667)
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Keywords | 不妊症看護 / 患者夫婦 / 不本意な治療中断 / 治療への満足度 / 初診時のケア |
Research Abstract |
本研究は、不妊治療実施施設を受診した初診患者夫婦が治療への満足度を高めることにより、不本意に治療を断念するケースを減少させること、また治療により子どもを授かる/授からないにかかわらず、治療後のQOLを向上させることを目指している。その方法として、初診患者夫婦の特徴や初診時に受けたケア、初診時点での医療に対する満足度がその後の治療経過にどのように関連していくのかを明確にするために、不妊治療実施施設の初診患者夫婦それぞれに質問紙調査を行った後、同夫婦の治療開始から1年後までの転帰、心理社会面のサポート状況、調査時点での医療に対する満足度について追跡調査を行う。本調査により、何が不本意な治療の中断を招き、何が夫婦の意思決定に基づく治療の継続あるいは治療の中断・終結に結びつくかを明らかにし、初診から1年後までのケアのあり方を考察していく。 本研究を進めるにあたり、まずは不妊治療実施施設の初診女性に対するインタビュー調査および治療を長期継続した女性に対するインタビュー調査を行った。初診女性に対するインタビュー調査からは不妊女性の不妊による悩みは受診以前から始まっていることが明らかになり、過年度に関連学会誌にて成果報告を行っている。治療を長期継続した女性に対するインタビュー調査からは夫の支えがあること、治療環境への好感を持っていること、初診時に治療期間のめやすを持っていなかったこと、治療計画を自己管理できていたことという4つの特徴を持っていたことが明らかになり、現在成果報告すべく関連学会誌に投稿中である。これらの成果から本研究で使用する調査票の質問項目への示唆を得て、調査票のパイロット版を作成することができている。
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