2011 Fiscal Year Annual Research Report
不本意に治療を中断する不妊症患者夫婦の要因分析:治療開始から1年後までの追跡調査
Project/Area Number |
21592837
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
實崎 美奈 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (80412667)
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Keywords | 不妊症看護 / 患者夫婦 / 不本意な治療中断 / 治療への満足度 / 初診時ケア |
Research Abstract |
昨年度までに行った不妊治療を長期継続した女性に対するインタビュー調査の成果をもとに作成した調査票を用い、今年度は追跡調査を行った。当初は1年間の追跡調査を考えていたが、先行研究等の知見より不本意な不妊治療の中断は初回受診後数ヶ月の間に起こることから追跡期間を6ヶ月間に修正し、研究者の所属先および研究協力施設の研究倫理審査委員会の承認を得た後に実施した。 日本産科婦人科学会に不妊治療実施施設として登録されており、研究協力の同意を得られた7施設の不妊外来を初めて受診した30組ずつのカップルを調査対象者とした。210組のカップルに調査票を配布し、初回受診時の調査票の返送は61名(カップルは25組)、追跡調査への協力を同意したカップルは19組であった。 初回受診時調査票の回収率は14.5%(男性26名、女性35名)であり、平均年齢はそれぞれ36.7歳、36.0歳であった。他施設の不妊外来への通院経験者は24組中15組であった。女性に比べて男性の方が受診のために日常生活を調整する必要があると強く感じていた。受診時に医師や看護師から受けた説明時間は30分未満が65.3%、30分以上1時間未満が22.4%であり、93.9%がその説明を十分だと感じていたが、自分の思いを話した時間については十分だと感じていなかった。ほとんどの対象者が初診の時点で通院期間や受ける検査・治療のめやすを持っていた。子どもを持つことに関する思いとして、「子どもがほしい」「パートナーを親にしてあげたい」という思いは男女間で差がなかったが、「親を祖父母にしてあげたい」という思いは男性よりも女性が強く、「跡取りがほしい」という思いは女性よりも男性が強く思っていた。 今後は個々のカップル間での回答の一致度や治療への満足度等の3ヶ月後、6ヶ月後の変化について分析を進め成果報告を行っていく。さらにこの成果をもとにして不妊外来を初めて訪れたカップルへのケアのあり方を探求していきたい。
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