2009 Fiscal Year Annual Research Report
DV被害者支援職務関係者の資質向上を目的とした系統的な教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21592848
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
長谷川 美香 University of Fukui, 医学部, 教授 (90266669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 順子 福井大学, 医学部, 講師 (80509282)
米澤 洋美 福井大学, 医学部, 講師 (10415474)
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Keywords | 看護学 / 暴力 / 教育 |
Research Abstract |
【目的】DV被害を受けた母子の生活支援に携わる職務関係者のDVに関する知識の向上、態度の変容、他機関との連携の必要性の理解を高めるためのDV被害者支援職務関係者の資質向上を目的とした教育プログラムの開発を目指し、今年度は文献レビューをもとにDV被害者支援教育プログラム内容、教育方法等について検討を行った。 【方法】過去10年間(2000~2010年)に発表されたドメスティックバイオレンスに関する文献を対象に、医学中央雑誌を用い文献を抽出した。その際、「ドメスティックバイオレンス」「虐待」「教育」「支援」等をキーワードとし主題検索を行い、その結果抽出された文献のうち本研究目的に活用できる31文献を分析対象とした。対象となる文献について、DV被害者支援職務関係者に必要なDVに関する知識の精選、態度の変容および他機関との連携の必要性の理解を高めるための教育方法について検討を行った。 【結果及び考察】文献から、DV被害の早期発見のためには「経済的問題」「不定愁訴や抑うつ傾向」「子どもの生活の乱れや子どもへの暴力」「低出生体重児」等がDVと関連しているという知識を獲得すること、他機関との連携の必要性、ネットワークの強化には、個々の職務関係者のDVに関する認識を高めること、地域の社会資源等の情報を活用することが有用であることが明らかとなった。反面、ネットワークが機能しない理由には、対応の困難性の高い事例があることから、困難事例こそ、連携の必要性を実感できるような事例検討等を研修に取り入れてはどうかと考える。さらに、支援を行う上での感情の揺さぶりが、支援者の自尊感情を傷つけ、挫折感や消耗等に連動することが明らかなことから、支援者自身のケアやサポートについても教育プログラム内容に含む必要性が示唆された。
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