2011 Fiscal Year Annual Research Report
DV被害者支援職務関係者の資質向上を目的とした系統的な教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21592848
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
長谷川 美香 福井大学, 医学部, 教授 (90266669)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 順子 福井大学, 医学部, 講師 (80509282)
米澤 洋美 福井大学, 医学部, 講師 (10415474)
|
Keywords | DV / 支援者 / 教育プログラム |
Research Abstract |
X保健所管内のDV被害者支援に携わる職務関係者を対象に、連携認識を高める教育プログラムを実施し、実施後の質問紙調査、および事例検討中の対象者の連携に関する発言内容から、教育プログラムの修正を行った。 1.対象:研究者が作成したDV被害者支援職務担当者の連携認識を高める教育プログラムを受講した33名。 2.方法:独自に作成した教育プログラムの内容は、次のとおりであった。(1)DV被害者支援における連携の実態とその必要性(講義)、(2)事例検討会:DV被害者支援の経験豊富な実践者と複数回の検討を踏まえ、他機関との連携が必要な事例を作成した。検討課題は、同一市町内での連携、県と市町との連携、県・市町と国の機関との連携、他都道府県・市町村との連携までをも含む内容とした。(3)調査内容:質問紙調査では対象者の属性、連携に関する質問15項目(4段階のリッカートスケール)を、事例検討中の発言内容は、質的帰納的手法を用い分析した。 3.結果:対象者は女性75.8%、所属は市町村51.5%、県30.3%が多かった。DV被害者支援職務関係者対象の研修であったが支援経験ありは58.6%、連携に関する質問20項目(60点満点)の平均は33.2±6.5、連携活動で全くしていないが最も多かったのは、「他部門・他機関に自らの部門が実施するDV支援に必要なサービス、事業、資源等を文章化し提示している」の44.8%であった。事例検討での発言は、DV被害者支援未経験者と経験者では異なり、未経験者では「想像がつかない」と、連携以前に被害者支援のプロセス、各機関の役割を知りたいという思いが主であった。経験者からは「情報提供を嫌がる被害者」「ワンストップ窓口の必要性」「離婚からが出発」等、連携時の困難、連携が必要な理由、自立支援までの継続支援の必要性に関するカテゴリーが抽出された。 4.考察:DV被害者支援職務担当者向けの教育プログラムを作成したが、専門職とは異なり2~3年で異動する事務担当者も対象となることから、本教育プログラムを支援窓口・支援のプロセスを含む入門研修、経験レベルに応じたステップアップ研修、さらに各機関のDV被害者支援に必要なサービス、事業、資源等の作成を含む連携ツール作成研修からなる教育プログラムに修正した。
|