2011 Fiscal Year Annual Research Report
子ども虐待実践事例の集積と看護実践への適用に関する研究
Project/Area Number |
21592858
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50300091)
|
Keywords | 地域看護 / 保健師 / 保健師 / 事例検討会 |
Research Abstract |
【研究目的】子ども虐待に対応している保健師とともに、ストレングス・モデル(Rapp,1998/1998)を用いた子ども虐待事例検討会を企画、実施し、子ども虐待支援内容の検討、実践、モニタリング、評価の過程を螺旋的に展開させ、子ども虐待事例に対する看護実践から得られた有効な支援内容を集積することである。 【研究方法】N県4か所の保健所で、子ども虐待に対応している市町村保健師を対象に、ストレングス・モデルを用いた子ども虐待事例検討会を継続的に実施し、事例を集積した。集積した事例の支援記録や聞き取りから効果的な支援内容を帰納的に抽出し、事例ごとに虐待が起こっている家族問題と有効な支援内容を検討、分析した。 【倫理的配慮】研究対象者および所属機関の長に対し、文書にて同意を得るとともに、当時所属していた新潟県立看護大学倫理委員会の承認を得た。 【結果】N県4か所の保健所で子ども虐待事例検討会を実施し、33事例を集積した。 事例から抽出した保健師の支援内容として、「関係性がよい段階からの予防を意識したかかわり」「リスクアセスメント」「家族生活力量のアセスメント」「家族の強みに働きかける」「関係性形成が難しい家族へは肯定的なメッセージを送り続ける」「変化を期待できそうなところから介入」「問題だけにとらわれず家族全体をとらえた支援」「ケア会議による各関係機関の一貫性のある対応」などがあった。 【考察】支援に困難を感じている事例であっても、事例検討により、保健師等の支援者の葛藤を和らげ、支援者の思考枠組を変更することにより、支援に変化が見られるようになった。
|