2011 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム障害に対するペアレンティング・プログラムの確立に関する研究
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21592861
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (80191146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 則子 国立保健医療科学院, 生涯保健部, 部長 (30150171)
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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Keywords | 育児不安 / 自閉症スペクトラム障害 / 児童虐待 / ペアレンティング / ランダム化比較試験 |
Research Abstract |
21年度では、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもをもつ親に対するペアレント・プログラム実施のための日本版ステッピング・トリプルP(SSTP)の教材として、プログラム・ファシリテータ養成講座用教材、および親を対象としたプログラム教材を翻訳・作成した。 22年度はその教材を使用し、SSTPの有用性評価するため、京都、大阪、和歌山、佐賀、愛知で実施された自閉症スペクトラム障害の子どもをもつ親を対象に、プログラム施行前、施行直後、および施行後3か月後の3回子どもと親の行動、精神・心理状況を評価(アセスメント)した。アセスメントは、子どもの状態について(1)SDQ(子どもの長所・短所質問票)、(2)ECBI(アイバーグ子ども行動質問票)、親について(3)PS(子育てスタイル)(4)DASS(うつ・不安・ストレスなどの精神状態)、(5)PSBC(子育ての自信)、さらに(6)子育てスキルの使用頻度、(7)プログラム満足度の7種類について調査を行った。結果は、プログラム2か月前とプログラム直前ではアセスメントの変化はなく、プログラム直後(短期効果)とプログラム3か月後(長期効果)の有効性が得られた。 23年度は、個々のアセスメントについてより詳細な検討を行うことを目的に分析を行った。 プログラムの短期効果(n=53)は、DASS以外の質問紙で有意な効果が得られ、子どもでは、ECBIの問題行動の強さと頻度の改善、SDQにおける多動面の改善が目立ち、養育者では、PSの過剰反応の改善とPSBCの改善が目立った。なお、DASSでは臨床域を示した母親の高い改善率を認めた。 3か月後の長期効果(n=34)においても、ECBI、PS、PSBCの有意な持続効果が得られた。また、DASSの合計スコアの有意な改善が得られた。SSTPは、ASDの養育者の子育て支援として有用であった。今後、SSTPは子ども虐待の2次予防となり、地域での普及が期待される。
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Research Products
(3 results)