2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域で生活をする透析患者の災害時要援護必要度の尺度開発
Project/Area Number |
21592873
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石田 千絵 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60363793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 かおる 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (60332376)
河原 加代子 首都大学東京, 東京・健康福祉学部, 教授 (30249172)
小原 真理子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (00299950)
菅野 太郎 東京大学, 工学系研究科, 准教授 (60436524)
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Keywords | 災害時要援護者 / 地域看護学 / 透析患者 / タスク分析 |
Research Abstract |
ハイブリッドモデルを使用し、文献検索とフィールドワークを行った。 フィールドワークでは、都市型災害における大規模自然災害時の初回透析について、阪神・淡路大震災の被災体験を持ち、現在も透析室の看護師として従事している看護師7名を対象に半構成的インタビューを実施し逐語録を作成した。更に、日常の透析の状況を観察した。また、阪神・淡路大震災の被災体験を持ち、現在も透析を受けている患者7名を対象に、グループフォーカスインタビューを実施し、逐語録を作成した。インタビューの実施状況についてビデオ撮影を行った。 それぞれの逐語録とビデオ撮影の客観的状況から、災害時の初回透析に向けた要援護に必要な主要概念を抽出した。 《病院で優先した治療》《自助力の高い患者・家族の判断と行動》《災害時要援護者についての今後の課題》《情報伝達の限界と想定外の連絡》《患者自身の災害に向けた心構え》《病院施設での災害時対策の変化》《個人情報を扱う難しさ》《地域におけるネットワーク構築の必要性》《行政への役割期待》《生活場所におけるジレンマ》《透析患者の心身のニーズ》《経験の活用の必要性》《功を奏した事象》がスムーズな初回透析にかかわる主要な概念として抽出された。 更にスムーズな初回透析を妨げる事象として、身体的状況として《高齢化に伴う課題》《基礎疾患としての糖尿病と合併症》《自分で情報を獲得できない状況》、精神的状況として《災害に向けた消極的準備状況》《透析患者であることを隠したい気持ち》、社会的状況として《コミュニティーの崩壊》《民生委員への役割期待と現状》等が抽出された。 そして、文献検索とフィールドワークの結果を統合し、透析患者に必要な災害時の支援の概念について研究メンバーで検討を行った。 研究の成果は、2つの学会で発表するとともに、行政保健師に知識を還元した。
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Research Products
(2 results)