2010 Fiscal Year Annual Research Report
老親介護する勤労夫婦の妻のワーク・ライフ・バランスとうつ予防の為の夫の介護力育成
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21592883
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋爪 祐美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40303284)
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Keywords | 勤労女性 / 老親介護 / 男女共同参面 / ワーク・ライフ・バランス / 高齢者 / 介護者 / 夫婦 / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、勤労者夫婦を対象に老親介護体験に関する聞き取り調査を行い、1)夫婦による家事・子育て介護分担、精神的支援を行う過程について明らかにすること、2)老親介護する勤労者夫婦への支援に用いる資料作成、3)2)の資料に基づいた介入プログラムの考案であった。 1)に関して、本年度は、勤労女性(総合病院に勤務する看護職者7名、以下、妻)とその配偶者(以下、夫)1名を対象に、半構造化した面接調査を実施した。初めに妻に面接し、夫への面接の協力依頼を妻に行い、承諾が得られた夫に調査を実施した。面接に要した時間は1回あたり40分~120分であった。当初、夫への調査は個別に(妻の立会いなしで)実施を予定していたが、夫が妻の臨席を希望したため、夫婦に面談を実施した。 2)に関して、妻は専門職として患者に熱意を持って携わることを常と認識する一方で、介護家族として自ら老親介護に携わる体験につしては、それとは異質のものと認識していた。(1)老親との間に心理的な距離を感じ老親の療養期間が長い場合、妻は自分の介護への熱意が『冷めてゆく』ことを、"看護者の燃え尽ぎ"状態と捉えて罪悪感を抱いていた。(2)夫の自主的な家事介護分担や、子ども(老親の孫)との日々の相互作用が妻の精神的な支えとなっていた。介護中は日々生活の営みに無我夢中なため、(3)夫婦間で意識して一連の体験を降り返る作業はなされていなかった。勤労女性介護者へのワーク・ライフ・バランスとうつ予防のために必要な職場における支援として、多重役割を担うことへの理解と、そのため同様の体験をもつ看護者自身が同僚の聞き役となることが明らかになった。 3)に関して、2)(1)(2)が介入プログラムにおいて提示される資料、(3)が介入プログラムにおける"宿題"に用いられることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)