2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療観察法における物質使用障害を併発した患者に対する看護に関する研究
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21592884
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 千鶴 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00239609)
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Keywords | 物質使用障害 / 司法精神看護 / DDPPQ / 精神的健康 |
Research Abstract |
1.研究の目的 医療観察法病棟における、看護師の精神健康度を維持するために、物質使用障害を併発した重複障害者に対する看護師の重複障害対象者に関する知識を把握することを目的とした。 2.対象者:12の医療観察法病棟に勤務する看護師477名を対象とした。 3.方法:対象者の状況として個人背景、職場用コーピング尺度、DDPPQ(Development of the Drug Problems Perceptions Questionnaire)20項目、職業的アイデンティティ尺度、日本語版GHQ(General Health Questionnaire)28項目 4.結果 有効な回答が得られたのは398名であった。精神科看護経験は10年未満が半数を占めていた。対象者のうち男性が166名であった。物質使用障害を併発した患者を受け持ったことがあると回答した看護師は30名(7.5%)であった。薬物問題の認識に対する5つのサブカテゴリ、及びGHQでは有意な差は認められなかった。しかし医療観察法病棟への希望の有無では、薬物問題の認識に対する5つのサブカテゴリで差異が認められ、希望している者の認識が高いことが認められた。また薬物の認識では差異が認められなかったが、職位でみると師長、副師長管理職者精神的健康を示す日本語版GHQでは、希望の有無、婚姻状態で差異が認められ、希望している者の方が、また既婚者の方が精神的に健康であることが認められた。 5.考察 物質使用障害を併発した患者に対する認識においては、関連が認めらなかったが、受け持っている対象者が少ないことも関連があると考えられた、そのためもう少し具体的に看護の困難点について検討する必要があると思われた。
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