2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592889
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
安田 智美 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50303235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 しのぶ 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (90436783)
道券 夕紀子 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (80436782)
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Keywords | 在宅療養者 / 栄養評価 / 看護 |
Research Abstract |
在宅における高齢者の栄養状態と介入点を把握するために、A県在住の後期高齢者を対象に研究者が作成した「在宅栄養スクリーニング表」と上腕筋面積(AMA)から日本人の新身体計測基準値に示された性・年齢区分別の中央値を基準に算出した%AMAから調査を行った。対象者数は292名(男性82名、女性210名)、平均年齢は全体で84.4±6.1歳、調査場所は外来92名、居宅58名、通所46名、入所96名。%AMAの割合によって低栄養群(90%未満)と良好群(90%以上)の2群に分類した。全体の平均%AMAは93.3±27.7%であり、'調査場所別では入所(84.5%)が他の調査場所よりも有意に低かった(p<0.05)。質問34項目について、食事環境では、買い物や食事の支度が一人でできない(78.9%)(p<0.05)、食事に介助が必要(9.9%)(p<0.1)と回答した者が低栄養群に多かった。口内環境・嚥下では、食後口の中に食物塊が残る(10.6%)と答えた者が低栄養群に多く(p<0.05)、水分でむせる(15.5%)、食物でむせる(10.6%)、食事中や食後にのどがゴロゴロする(4.9%)、近付くと口臭がある(6.3%)と回答した者も低栄養群に多い傾向にあった(p<0.1)。体調・身体状況では、排便状況が下痢便または便秘の者が低栄養群(23.9%)に多い傾向であった(p<0.1)。以上のことから、高齢者の栄養状態の維持・改善には、ADLの維持・向上だけでなく、食事環境の整備や摂食・嚥下機能に対する介入が必要である。 次に、1回目調査と6ヶ月後の2回目調査のデータをもとに栄養スクリーニング表の感度を調査した。実施方法は、%AMAから「低栄養群」と「良好群」に分けた後、質問34項目における2群の差をx^2検定で求め、判別分析により質問項目と配点の検討を行った(有意水準p<0.05)。有効回答は男性123名、女性321名の計444名(有効回答率87.6%)、平均年齢は84.9±6.1歳であった。x^2検定と判別分析により作成したスクリーニング表の感度は、男性93.3%、女性90.6%であった。
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