2009 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃的出来事後の精神科看護チームへのサポートプログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
21592890
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
谷本 桂 Shinshu University, 医学部, 助教 (00402107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下里 誠二 信州大学, 医学部, 准教授 (10467194)
戸田 由美子 高知大学, 医学部, 准教授 (60325339)
|
Keywords | 衝撃的出来事 / 精神科看護チーム / サポートプログラム |
Research Abstract |
【目的・方法】本研究は精神科医療施設での衝撃的な出来事後の看護チームへの支援プログラムを開発するためにその第1段階として、平成21年度は衝撃的な出来事の項目を検討し、関東甲信越圏内の日本精神科看護技術協会会員施設のうち150床以上を有する施設の中からランダムに抽出した200施設の看護者(2000人)を対象として無記名の質問紙調査を実施した。対象者の個人的背景を記入する自記式質問紙の他にインパクトスケール改訂版(Impact of Event Scale, Revised : IES-R)^<1)>、コーピング特性簡易尺度(the Brief Scales for Coping Profile : BSCP)^<2)>、信頼感尺度^<3)>、職場用ソーシャルサポート尺度^<4)>を使用した。【結果】調査票は郵送法で回収し、回収率は約17%で、有効回答数は339部あった。そのうち41.3%(140人)は精神科医療施設での勤務中に衝撃的出来事に遭遇していた。衝撃的出来事の内容は患者のアクション(119件)、職員のアクション(14件)、自分自身の失態(2件)、その他(5件)の4つに大別された。この大別された4つの衝撃的出来事を衝撃の程度の平均値を高い順に並べると、職員のアクション、その他、患者のアクション、自分自身の失態の順となった。IES-Rの合計点を衝撃の程度とし、その他の尺度との相関の有無を分析した。その結果、BSCPの下位尺度項目「他者を巻き込んだ情動発散」と信頼感尺度の下位尺度項目「不信」に、負の相関が、信頼感尺度の下位尺度項目「他人への信頼」に正の相関があることが確認された。 <文献> 1)飛鳥井望(1999):不安障害外傷後ストレス障害(PTSD).臨床精神医学増刊号、28,171-177. 2)景山隆之、小林敏生、河島美枝子他(2004):勤労者のためのコーピング特性簡易尺度(BSCP)の開発:信頼性・妥当性についての基礎的検討.産業衛生学雑誌、46、103-114. 3)天貝由美子(1997):成人期から老年期に渡る信頼感の発達-家族および友人からのサポート感の影響-.教育心理学研究、45、79-86. 4)小牧一裕、田中國夫(1993):職場におけるソーシャルサポートの効果、関西学院大学社会学部紀要、67、57-67.
|
Research Products
(3 results)