2011 Fiscal Year Annual Research Report
下肢関節疾患患者への運動介入プログラムとその評価法の開発
Project/Area Number |
21592892
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上杉 裕子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40423230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 隆之 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (10379373)
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Keywords | 変形性関節症 / QOL評価 / DVD / 在宅患者 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度までの研究をもとに、下肢関節疾患患者を対象として、在宅で行える効果的な運動プログラムDVDを理学療法士や整形外科医師とともに開発し、その効果を検証することを目的とした。プログラムは股関節・膝関節患者用であり、OKC・CKC運動それぞれ3種類からなり、1日に約30~40分、2週間ごとにステップアップし、3か月で6段階目まで到達できるものである。対象者は大学病院外来を受診している変形性股関節・膝関節症患者で運動を推奨される同意を得られた患者とした。コントロール群は従来の運動療法パンフレットを配布し、介入群には運動ブログラムDVDを説明の上配布した。効果の判定のために、主観的評価として、QOL尺度SF-8、一般セルフエフィカシー、加えて股関節患者にはJHEQ、oxford hip score、膝関節患者にはoxford knee scoreにて評価した。3か月後の得点変化を検証し、有意水準は5%未満とした。 男性4名、女性70名の対象者から結果が得られた。股関節患者は介入群21名、(平均年齢50.1歳)、コントロール群33名(51.7歳)であった。膝関節患者は介入群6名、(平均年齢65.2歳)、コントロール群14名(67.4歳)であった。3か月後の追跡調査の結果、調査項目全体に改善傾向が認められた。介入群では股関節患者において、JHEQメンタル(介入前15.0、介入後23.6:高い方が良い)、Oxford hip score痛み(12.7から11.1:低い方が良い)、膝関節患者において、SF-8の精神的健康(44.3から48.6:高い方が良い)に有意な改善を示していた。コントロール群では股関節患者においてのみJHEQメンタル(14.8から23.3)に有意な改善を示していた。介入群に有意な改善が認められたことは、DVDによる運動療法効果と考える。股関節患者に有意な改善が認められた項目が多かったことは、患者の平均年齢が若く、運動への取組が高かったためではないかと推測された。身体面だけでなく、精神面にも有意な改善が認められたことは、患者が運動によって精神的な充足を得られたことが考えられた。
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